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ルーキー・京川舞、鮮烈2発デビュー「得点王争いを」

[ 2012年4月16日 06:00 ]

<INAC神戸・大阪高槻>2得点を挙げ、笑顔でピースサインのINAC神戸・京川

なでしこリーグ第1節 INAC神戸7―0大阪高槻

(4月15日 ホームズ)
 五輪イヤーのなでしこリーグが15日開幕し、連覇を狙うINAC神戸はルーキーのFW京川舞(18)が2ゴールでデビューを飾った。大阪高槻戦の前半43分に頭で合わせると、後半41分には右足で決めた。チームは大黒柱のMF沢穂希(33)が出場を回避したが、新戦力の活躍で7―0と大勝し、連覇に向けて最高のスタートを切った。
【試合日程&結果】

 得点王の2人の先輩を押しのけて、18歳の高卒ルーキーが主役に躍り出た。昨季無敗で制したINAC神戸のリーグ開幕戦。緊張感漂う門出の日に、京川が2ゴールでリーグデビュー戦をド派手に飾った。

 「最初は緊張していたんですが、思い切ってできました。本当に味方の選手がいいボールをくれたので、決めるだけでした」

 周囲に感謝するコメントは初々しいが、プレーは堂々としたものだった。3点リードの前半43分、高瀬がペナルティーエリアの右でパスを受けゴールラインぎりぎりまで切れ込むと、計ったようにゴール前に飛び込んだ。ディフェンスと競り合いながら、右クロスに頭で合わせて待望のリーグ戦初ゴール。さらに6点リードの後半41分、今度は近賀の右クロスに軽く右足を合わせて2点目をねじ込んだ。INACは計6選手がゴールを決めたが、マルチ得点は京川だけ。後半ロスタイムにはゴール前でGKと1対1になったが、シュートを打たずに川澄にパス。ハットトリックのチャンスを“遠慮”したあたりには、先輩への思いやりも感じられた。

 最強軍団の中に入った18歳は実力でレギュラーの座をもぎ取った。なでしこジャパンのポルトガル遠征やU―20日本代表のフランス遠征などハードなスケジュールをこなしながらも、プレシーズンマッチ4試合でチーム最多の4得点。ロンドン五輪のメンバー入りを後押しするためにも先発起用したい“親心”があった星川監督だが、結果を出したことで文句なくスタメンに抜てきした。

 目標も上方修正した。当初は昨季のリーグ新人賞を獲得した浦和の吉良と同じ9得点を掲げたが、開幕前日に「2桁」に修正。だがこの日、満点のデビュー戦を終えたことで「去年の大野さんや川澄さんのように得点王争いに関わっていけるように力をつけたい」と初めて得点王という言葉を口にした。

 「能力はいかんなく発揮してくれたと思う」と辛口の指揮官も認めた超新星。連覇を宿命づけられたチームに頼もしすぎるストライカーが加わった。

 ◆京川 舞(きょうかわ・まい)1993年(平5)12月28日、茨城県小美玉市生まれの18歳。堅倉小2年から堅倉スポーツ少年団でサッカーを始める。宮城・常盤木学園高時代は10年にU―17W杯準優勝、11年にU―19アジア選手権優勝に貢献。今季からINAC神戸に入団。1メートル61、52キロ。

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