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鹿島 劇的ロスタイム弾で初勝利!ヒーロー遠藤男泣き

[ 2012年4月15日 06:00 ]

<FC東京・鹿島>後半45分、決勝となるゴールを決めガッツポーズする鹿島・遠藤

J1第6節 鹿島2-1FC東京

(4月14日 味スタ)
 劇的な幕切れで鹿島が待望の今季初白星を手にした。14日にアウェーでFC東京と対戦。後半ロスタイムにMF遠藤康(24)が左足で決勝弾を決めて2―1で競り勝った。ベンチ入り禁止処分でスタンドから視察したジョルジーニョ監督(47)は就任後初めて勝ち点3を獲得して最下位を脱出。第6節での初勝利は逆転優勝した07年に並ぶクラブ史上最も遅い記録となった。
【試合結果 順位表】

 終了の笛が響くと、ジョルジーニョ監督は誰よりも先にロッカールームに向かった。リーグ6戦目でつかんだ待望の初白星。雨の中の死闘を制した選手たちを迎え入れ、歓喜の抱擁を繰り返した。「ありがとう」。感謝の意を伝えると、遠藤が、昌子が涙を流して喜んでいた。

 劇的な幕切れだった。1―1で突入した後半ロスタイム。遠藤が左サイドを突破したジュニーニョのシュートのこぼれ球に反応した。胸トラップで慎重にボールを収めて左足で決勝弾。「ボールがこぼれてくると思って走った。読みが当たりました」と胸を張った。今季は6試合中5試合に先発。昨オフに神戸に移籍した野沢に代わる司令塔として期待されながら結果が出ず、前節7日の浦和戦に敗れた後は人目をはばからず号泣した。この日は後半21分の興梠の先制弾の起点にもなり全得点に絡む活躍。信頼して起用し続けてくれた指揮官に初勝利をプレゼントして男泣きした。

 理想を捨て勝負に徹した。ジョルジーニョ監督は浦和戦で主審の判定に怒りを爆発させて飲料ボトルを蹴り上げたため、この日はベンチ入り禁止。試合前のミーティングでは守備重視の戦い方を徹底させ、ボランチにも梅鉢、青木の守備的な2人を今季初めて並べた。就任当初から中盤をダイヤモンド形にする新布陣を採用したが、3月10日の開幕戦で仙台に敗れると、わずか1試合で中盤をボックス形に変更。新井場は「堅過ぎる戦い方かもしれないけど、今は泥臭く勝って自信をつけることが必要」と指揮官の思いを代弁した。

 第6節での初勝利は07年に並びクラブ史上最も遅い記録。5年前もオリヴェイラ監督の就任1年目で開幕ダッシュに失敗したが、その後の猛追で大逆転Vを果たしている。くしくも初白星を挙げた日は同じ4月14日。ジョルジーニョ監督は「ここからが本当のスタート」と選手に伝え、ロッカールームを後にした。長いトンネルを抜け、最下位からも脱出。国内最多15冠を誇る常勝軍団が反攻ののろしを上げた。

 ▽遠藤 康(えんどう・やすし)1988年(昭63)4月7日生まれ、宮城県仙台市出身の24歳。なかのFC、塩釜FCジュニアユース、塩釜ユースを経て07年鹿島入り。同年4月7日の大宮戦でデビュー。J通算59試合6得点。利き足は左。1メートル68、69キロ。血液型O。

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