安さ爆発！レバンテあるぞＣＬ　予算最低も暫定４位浮上

リーガ・エスパニョーラ レバンテ２－０Ａマドリード

（4月8日）
　前節５位のレバンテは８日、ホームで同７位のＡマドリードを２―０で下し、暫定４位に浮上した。来季の欧州カップ戦出場権を懸けた勝ち点３差の直接対決で快勝。リーグ最低の年間予算２１００万ユーロ（約２２億円）ながら前半戦で一時首位に立つなど旋風を起こした伏兵が後半戦も奮闘し、クラブ史上初の欧州挑戦が現実味を帯びてきた。
【順位表 日程と結果】

　レバンテが会心の試合運びを見せた。戦力で勝るＡマドリードがリズムに乗れない開始直後を突き、開始１分に左クロスで先制点。９分後にはゴール右からのＦＫにＦＷコネが頭を合わせて加点した。効率良く２点を挙げると、持ち味の堅守で逃げ切り。マルティネス監督は「選手１人の獲得にこっちの予算を大きく上回るような金を使うクラブに勝った。４位浮上はうれしい」と笑った。

　体調不良で途中出場だったとはいえ、相手エースのファルカオは今季開幕前にポルト（ポルトガル）から移籍金４０００万ユーロ（約４３億円）で加入したスター。契約切れの選手獲得やレンタル契約の駆使など低予算で戦力をかき集めるレバンテが昨夏に使った移籍金は総額でも４０万ユーロ（約４３００万円）にとどまった。

　それでもキャリア終盤で完全燃焼を誓うベテランと上昇志向が強い若手がかみ合えば戦力差は埋められる。年間予算は５億ユーロ（約５３３億円）と言われるＲマドリードの約２４分の１。平均年俸３０万ユーロ（約３２００万円）はＣ・ロナウドの週給２３万ユーロ（約２５００万円）と大差はないが、元スペイン代表ファンフランら経験豊富なＤＦを軸に堅守速攻を徹底。３６歳のＤＦバジェステロス主将は「団結力が安定感を生んでいる」と訴え、バルセロナのグアルディオラ監督も「チームスポーツのあるべき姿」と称える。

　創設１０２年にして前半戦で一時首位。昨年１２月から８戦連続白星を逃して７位まで順位を落としたが、暫定４位と盛り返した。欧州ＣＬ出場権が懸かる４位、欧州リーグ出場が可能な５～６位は決して夢ではない。「最後まで欧州カップ戦を狙う。運が良ければＣＬでプレーできる」とコネ。バルセロナとＲマドリードの２強が注目されるスペインだが「もう１つのリーグ」を意味する３位以下の「オトラ・リーガ」も目が離せない。

　≪最高位は１０位≫１９０９年にスペイン東部バレンシアを本拠地に創設。ホームはシウター・デ・バレンシアで約２万５０００人を収容。１部では６３～６４年の１０位が最高。２部だった８０～８１年後半戦にヨハン・クライフが加入し１０試合２得点を記録。

　≪駆け引きで番狂わせも≫今季開幕３戦目にホームでＲマドリード撃破。時間稼ぎや挑発など駆け引きも使って１―０で破り、敵将モウリーニョ監督を「こういう手段もサッカーの一部ということをよく理解している」とうならせた。