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3戦連発弾!香川 MFなのに欧州日本人最多12点マーク

[ 2012年4月1日 06:00 ]

シュツットガルト戦で欧州日本人最多となる12得点目のゴールを決めたドルトムントの香川

ブンデスリーガ ドルトムント4-4シュツットガルト

(3月30日)
 ドルトムントの日本代表MF香川真司(23)は30日、ホームで行われたシュツットガルト戦の前半33分に、今季12点目となる先制ゴールを決めた。06~07年シーズンにフランクフルトのFW高原直泰(現清水)がマークした11得点を抜き、欧州主要リーグでの日本選手最多得点記録を更新した。試合は4―4のドローに終わったが、香川が日本サッカー界にさん然と輝く金字塔を打ち立てた。
【ブンデスリーガ動画 得点ランク】

 日本サッカー史に、香川が新たな1ページを書き加えた。前半33分、味方がつないだボールが目の前に落ちて来る。次の瞬間、迷わず右足一閃(せん)。「チームとしていい形だった。本当によく落としてくれたと思う」。鮮やかな先制ゴールを決めると、体を張って頭で落としてくれたケールの胸に飛び込み、全身で喜びを爆発させた。

 怒とうの得点ラッシュが止まらない。リーグ戦は3戦連発で、今季通算得点を12に積み上げた。06~07年シーズンにフランクフルトの高原が決めた11得点を抜き、欧州での日本人最多得点記録の更新となった。試合は香川が後半36分に交代した後に壮絶な打ち合いとなり、終了間際に追いつかれてドロー。それだけに「ガクッとした」と喜びは半減だったが、中盤の選手として成し遂げた記録だけに、偉業が色あせることはない。

 今季はリーグ戦28試合でベンチ外が1度だけ。「疲労はある。ただでさえ後半戦に入りプレッシャーを感じながらやってる。1試合での消耗が激しい」という。だが、そんな肉体を突き動かしているのが、初めて経験している優勝争いの充実感だ。リーグ連覇に突き進むドルトムントだが、香川は昨年1月のアジア杯で右足小指を骨折し、昨季終盤を棒に振った。今の香川は夢に見た優勝争いの真っただ中に身を置き、躍動している。

 周囲もヒートアップしている。ドイツ国内では香川の契約問題が話題を席巻。全国紙ビルトによれば、ドルトムント側は来年夏に契約が切れる香川に16年までの3年延長を提示、年俸も倍増の300万ユーロ(約3億3000万円)に大幅アップされる見通し。それでも「いろんな決断が必要だけど、今は集中してやるべきことをやるだけ」と香川。雑音を封じ、目の前の一戦に集中している。

 バイエルンM、シャルケなど今後も上位陣との激しい戦いが続く。「言葉では言い表せない。本当にタフ。でも残り数試合戦い切れたら凄い達成感があると思う。メンタルの部分で耐えられるか…」。偉大な先人たちを超える大記録にも、達成感はない。香川にとって12得点は通過点にすぎない。

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