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上辻 元マリーゼの同僚・鮫島とホットライン形成だ!

[ 2012年3月28日 06:00 ]

<なでしこ合宿>練習中に笑顔を見せる上辻

なでしこジャパン合宿2日目

(3月27日 宮城県)
 4月1日に米国(ユアスタ)、同5日にブラジル(ホームズ)と対戦するなでしこジャパンが27日、宮城県内で合宿2日目の練習を行った。佐々木則夫監督(53)は29日の米国との練習試合で控え組を出場させる考えを示唆。初招集のMF上辻佑実(24=仙台)は東日本大震災後に休部した東京電力マリーゼでチームメートだったDF鮫島彩(24=モンペリエ)とのホットラインで米国撃破を目指す。

 合宿2日目はミニゲーム中心。上辻は控え組のボランチとして出場し、佐々木監督から「おまえがサボってカウンターされたんだぞ!」と激しいゲキを受けながら、懸命にピッチを走り回った。

 なでしこジャパンは4月1日に対戦する米国と29日に練習試合を行う予定で「メンバーは控え組と半々ぐらい。少しずつ連係(の精度)を上げたい」と指揮官。世界ランク1位との実戦を通じて、サブの選手の経験値を上げたい考えだ。

 初招集の上辻は、鮫島とともに米国戦に出場することを切望している。同学年の2人は原発事故の影響で休部になったマリーゼの同期。震災後は違う道を歩むことになったが、頻繁に連絡を取り合ってきた。23日に初招集を報告すると「おめでとう。一緒に頑張ろうね」とのメールが届いた。

 震災後は2カ月は奈良の実家で過ごし、昨年5月に新潟に移籍。今年2月にはマリーゼ所属選手が仙台へ移籍することが決まり「新潟を去るか悩んだけど、またマリーゼの仲間とサッカーをしたいという気持ちが強かった」と東北地方で再スタートを切ったばかりだ。

 MF沢穂希(33=INAC神戸)が体調不良で招集が見送られ、両足からの精度の高いパスを武器にするボランチの上辻には新戦力ながら“ポスト沢”の期待が高い。「サメちゃんはドリブルが凄いので(マリーゼでは)パスを預けていた。代表でも一緒にプレーしたい」と思いを口にした。

 練習試合でマリーゼホットラインがさく裂すれば、1日の米国戦の出場も夢ではない。今は別々のユニホームを着ている上辻と鮫島。震災を乗り越えた2人が、仙台の地でともに日の丸をつけて戦う姿が見られるはずだ。

 ▽上辻 佑実(うえつじ・ゆみ)1987年(昭62)11月30日、大阪府生まれの24歳。8歳から朱雀SCでサッカーを始め、中学時代から大阪高槻の下部組織・スペランツァでプレー。FCビトーリアを経て06年に東電マリーゼ入り。利き足は右。家族は両親、兄、姉。血液型B。1メートル58、53キロ。

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