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キプロスの小惑星、アポエル・ニコシア 銀河系軍団に挑戦

[ 2012年3月27日 06:00 ]

「妥当レアル」へ意欲満々のアポエル・ニコシア

欧州CL準々決勝第1戦 アポエル・ニコシア―レアル・マドリード

(3月27日)
 欧州チャンピオンズリーグ(CL)は27日から準々決勝に突入する。キプロスから初めて8強入りを果たしたアポエル・ニコシアは同日の第1戦でレアル・マドリードと対戦。アポエルの年間予算1000万ユーロ(約11億円)の50倍を誇る最多優勝9回の名門に挑む。

 強豪のみで争われるCL決勝トーナメント史上、最も対照的な顔合わせが実現する。登録27人の年俸を合わせても相手エースのC・ロナウドが稼ぐ1200万ユーロ(約13億円)に及ばないが、アポエルのヨバノビッチ監督は「レアルとCL準決勝を懸けて戦えるのは光栄」と笑った。

 いずれも登録選手の国籍が8カ国に及ぶ多国籍軍団。しかし、強豪国の主力をそろえたレアルに対し、キプロス王者は無名な選手で占められる。元チェルシーのポルトガル人MFモライスも04~07年の在籍中でリーグ戦出場は4試合。それでも強豪での経験を生かし、守備的MFとしてアポエルの堅守を支えてきた。

 最多優勝21回を誇る国内リーグはボールをつなぐ攻撃サッカーで制圧してきたが、格上との戦いを強いられるCLでは守りを固めたカウンターが中心。今季の本大会8試合で1試合平均のボール支配率が42.38%、対戦相手とのシュート数は6.25―21.88本と押し込まれてきたが、技術に秀でたブラジル人とポルトガル人を主軸に据え、速攻から少ない好機をものにしてきた。セルビア人の指揮官は「奪えばスペースに飛び出してパスを受ける。何度も練習してきたから考える必要はない。見なくても誰がどこにいるか分かる」と訴える。

 人口はわずか80万人ながら、首都ニコシアにある収容2万3000人の本拠GSPスタジアムには到底収まらない。レアル戦の入場券にはファンが殺到。クラブが謝罪声明発表に追い込まれるほど地中海の小国が沸いている。クラブのオンラインショップにはブラジルやカナダ、ガーナなど世界中からグッズ購入の注文が入るなど注目度も上昇。指揮官が「選手が積み重ねてきた努力の結晶となる」と期待するレアル戦へ、舞台は整った。

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2012年3月27日のニュース