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海堀レギュラー落ちも 佐々木監督「いまひとつ…」

[ 2012年3月24日 06:00 ]

アルガルベ杯・決勝のドイツ戦の後半、簡単なシュートをキャッチできずピンチを招く海堀

 日本サッカー協会は23日、米国、ブラジルと対戦するキリンチャレンジ杯に臨むなでしこジャパン23人を発表した。GKは海堀あゆみ(25=INAC神戸)と福元美穂(28=岡山湯郷)の2人を招集したが、佐々木則夫監督(53)は正GKの海堀に厳しい評価を下しており、昨年6~7月のW杯ドイツ大会で日本を世界一に導いた守護神がレギュラーから陥落する可能性もある。「良性発作性頭位めまい症」でリハビリ中の沢穂希(33=INAC神戸)は外れた。

【メンバー】

 メンバー発表会見で佐々木監督が珍しく個人名を挙げて厳しいコメントを口にした。「海堀の状況はいまひとつ評価していない」。矛先が向けられたのは守護神・海堀だった。W杯では全6試合にフル出場し6失点に抑え優勝の立役者となった。08年の代表デビューから昨年まで国際Aマッチ27試合で17失点。1試合平均失点0・63と抜群の安定感を誇っていた。

 しかし、今年に入って堅守にかげりが見える。準優勝したアルガルベ杯(2~3月、ポルトガル)では1次リーグ初戦ノルウェー戦(○2―1)と決勝ドイツ戦(●3―4)に出場し2試合で計5失点。ドイツ戦では不用意な飛び出しから失点するなど、海堀らしくないプレーが目立った。

 一方、福元は1次リーグデンマーク戦(○2―0)と米国戦(○1―0)に出場し、ともに完封して評価を上げた。指揮官の発言は、海堀にレギュラー陥落の可能性があることを示している。

 今回招集したメンバーはアルガルベ杯より2人多い23人。それでもGKを2人に絞った指揮官は「和歌山合宿、アルガルベ杯を見た中で、2人を集中的に強化をしたい。もうちょっと成長させなければいけない」。2人を鍛え上げるとともに、米国戦、ブラジル戦を通じて競争させる意向だ。

 ロンドン五輪も08年北京五輪と同様にGKは2人体制となる見通し。佐々木監督から信頼を得ている山郷(浦和)も虎視たんたんと代表復帰を狙っており、本大会メンバー入りへも安穏としていられないのが現状だ。

 INAC神戸の沖縄合宿に参加している海堀は、指揮官の言葉を伝え聞いて「やるしかない。(アルガルベ杯ドイツ戦で4失点した)あの結果を次につなげないと意味がない。やるべきことは変わらない」と決意を表明した。守護神の信頼を取り戻すための戦いが始まる。

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2012年3月24日のニュース