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柿谷は終わってない…レンタルで改心した天才MF、五輪への道も

[ 2012年3月9日 15:20 ]

2年半ぶりC大阪に復帰したMF柿谷曜一朗

J1注目の男 C大阪MF柿谷曜一朗

 ようやく、という言葉がピッタリと当てはまる。約2年半にもわたるJ2徳島への期限付き移籍を経て、MF柿谷曜一朗(22)が古巣へと帰ってきた。

 「徳島で勝つ喜びを感じたし、チームとして戦うことを学んだ。自分のことじゃなくて、チームとして、という部分に専念したい」。練習への度重なる遅刻を犯して見放されたのは過去の話。心身ともに生まれ変わった天才児が、初タイトルを狙うチームの起爆剤となることは間違いない。

 かつて世代別代表のエースとして鳴らしたとはいえ、ときにエゴイスティックなプレーに陥ることもあった。表舞台から離れ、いつの間にか同僚の日本代表MF清武ら同学年の選手と大きな差が開いた。だが、J2という厳しい環境で目が覚めた。徳島でMF倉貫(現京都)の準備を怠らない姿勢に刺激を受け、チーム練習より1時間30分も早くクラブハウスに行くことが日課に。ひ弱だった体も6キロ増の68キロとパワーアップした。

 改心した攻撃的MFに、セルジオ・ソアレス新監督はゴールへ向かうプレーを徹底的に要求している。2月の宮崎キャンプでは通訳を交えて2人で話し合うことも度々あった。「シュートを打つフリをしてパスを出す癖がある」という本人も、期待を十分に感じ取っている。

 清武だけでなくU―23韓国代表MFキム・ボギョン、さらに新助っ人のMFブランキーニョら、C大阪の2列目は最激戦区。それでも、技術ではまったく引けを取らない背番号13にもチャンスはある。クラブで目覚ましい活躍を見せれば、ロンドン五輪を目指す関塚ジャパンに初招集される可能性も残っているはずだ。

 ◇柿谷 曜一朗(かきたに・よういちろう)1990年(平2)1月3日、大阪府生まれの22歳。4歳からC大阪の下部組織で育ち、16歳でプロ契約。09年6月から徳島に期限付き移籍し、今季から復帰。07年のU-17W杯では3試合2得点。利き足は右。1メートル73、68キロ。血液型B。

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2012年3月9日のニュース