×

宮間4失点に危機感「二度とやってはいけない」

[ 2012年3月9日 06:00 ]

リスボンの空港に到着した、なでしこジャパンの主将・宮間

 宮間が駄目出しした。国際招待大会アルガルベ杯で準優勝したなでしこジャパンは8日、リスボン国際空港から帰国の途に就いた。米国を破るなど収穫の多い大会だったが、7日の決勝ドイツ戦で4失点敗戦したことに主将のMF宮間あや(27=岡山湯郷)は苦言を呈した。全勝Vを公言していた闘将は、大会途中からエース沢穂希(33=INAC神戸)を欠きながらの銀メダル獲得にも満足していない。

 決勝から一夜明けた8日、宮間は和やかな表情だった。リスボン国際空港では、帰国便搭乗前にトレーニングウエア姿で沢と談笑するなど終始リラックスしていた。

 しかし前日ドイツに敗れた直後は闘将としての一面を見せた。表彰式終了後、大会MVPにも選ばれた宮間は厳しい口調でチームに駄目出しした。「4失点は最近ない。あり得ない。二度とやってはいけない。もう一度自分たちの足元を見て引き締めないといけない」

 0―2から川澄、田中のゴールで同点とし、終盤にも2―3から永里が再び起死回生弾。2度のビハインドを追いついた執念は評価されていい。だが後半43分から2点を失い98年8月18日の米国戦以来の4失点。相手のパワーとスピードに手を焼いた。最前線のオコイノダムバビを抑え込むことができなかった。「失点の仕方も(相手に)フィジカルを生かされた」。主将はその事実を重く見た。「きょうのような試合ではオリンピックで予選(1次リーグ)突破は難しい」。このままではメダル獲得どころか、1次リーグ突破さえも危ういと警鐘を鳴らした。

 新主将として臨んだ今大会。開幕前「全勝で帰りたい」と優勝を宣言した。サポートしてくれた沢が米国戦前に離脱するアクシデントにも負けず、声でプレーで引っ張った。沢不在を懸念する声もあったが「沢さんが沢さんであることには変わりはないが、(不安は)ないです」と覚悟をして挑んだ。だからこそ米国に90分で初めて勝ったことも、銀メダルも満足感につながらなかった。

 五輪開幕まで約4カ月半。次回招集は4月1日の米国戦(ユアスタ)と同5日のブラジル戦(ホームズ)。佐々木監督は23人程度を招集する意向を明言した。五輪メンバー18人へのサバイバル、そしてチームづくりも佳境を迎える。闘将の苦言がどう生かされるのか。それがロンドンでの成果につながるはずだ。

続きを表示

2012年3月9日のニュース