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やっぱり川澄エース弾“悲願”ドイツ戦で全3点演出

[ 2012年3月8日 06:00 ]

<日本・ドイツ>喜ぶドイツイレブンの横で悔しそうな川澄(左)

アルガルベ杯決勝 日本3-4ドイツ

(3月7日 ファロ)
 川澄が全3ゴールに絡む大車輪の活躍で、驚異的な粘りの原動力となった。「前半のうちに得点できれば、後半に取り返せると思った。(得点は)得意な角度まで運ぶことができたので、狙い通りでしたね」。2点を追う前半35分、自画自賛のゴールで反撃ののろしを上げる。安藤のスルーパスに左サイドから抜け出すと、ペナルティーエリア内でDFをかわして右足でシュート。今大会2点目となる豪快な一発で1点差に詰め寄った。後半10分には宮間のショートコーナーから田中の同点弾をお膳立て。さらに、後半45分の永里のゴールの場面でも冷静にパスをつなぎ、最前線で相手ゴールを脅かし続けた。

 ドイツ戦に出場することは悲願だった。延長戦の末に勝利した昨年のW杯の準々決勝は出場機会が与えられず、ベンチからチームメートの奮闘を見守った。「強い相手だったけれど、私は出られなかった。だから、ぜひ戦いたかった」。あれから8カ月。沢不在のチームにあって、その存在感は際立っていた。

 菅沢や高瀬、京川といったFWの新戦力が注目を集める大会だった。レギュラーの川澄であっても安穏とはしていられない。プレッシャーも感じていた。アルガルベ杯の登録メンバーは21人だが、五輪は18人。単純計算で3人が椅子から漏れる。「五輪メンバーに選ばれるまでが競争。この先どうなるか分からない」。結果を残せなければ、五輪の舞台に立てないという危機感があったからこそ、慣れないMFでも結果にこだわった。

 日本が初出場だった昨年のアルガルベ杯で代表デビューを果たした川澄は、1年ぶりの同じ舞台で計2得点。「昨年よりはチームも成長している」と、確かな手応えを得た。4月1日には米国と、同5日にはブラジルとの親善試合が控えている。ともに五輪に出場する強豪。「まずはINAC(神戸)でレベルアップを図りたい」。成長し続けるストライカーはどこまでも貪欲だ。

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