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大前との差を感じた4年前…河井 慶大で磨いた「試合を読む力」

[ 2012年3月6日 19:24 ]

開幕スタメンが濃厚となった清水のルーキーMF河井

J1注目の男 清水MF河井陽介

 慶大から新加入したMF河井陽介(22)の開幕スタメンが濃厚となった。チームで最も小柄な1メートル65はポジショニングに優れ、司令塔ながら得点感覚も抜群。ゴトビ監督も「クレバーな選手」と評価するなど、徐々に存在感を示している。本職はトップ下だが、どのポジションでも高い適応力を示している。1月26日の城南一和(韓国)戦は右サイドバック(SB)で1アシスト。2月4日の藤枝MYFC(JFL)戦は左SBでプロ初得点。2月19日の磐田戦は左SBで、左クロスからオウンゴールを誘発した。

 プロへの道は平たんではなかった。藤枝東3年時の全国高校選手権は決勝に進出。しかし、先に清水入りしたFW大前元紀を擁する流通経大柏に大敗した。大前との実力差を肌で感じた河井は「プロなんて考えなかった。まずは慶応に進学して、将来何をやるか考えようと思った」。Jの舞台ははるかに遠いものととらえていた。

 入部当時の慶大は関東2部に甘んじていた。しかし、弱小チームの中でも着実に司令塔としての能力を開花させていった。劣勢の中からリズムを変え、主導権を握るために2手、3手先を読んだプレーを徹底。そこで研ぎ澄まされた「試合を読む力」が、清水スカウト陣の目に留まった。

 河井は1年で慶大を1部に復帰させると、2年時から清水の特別指定選手に。それに引っ張られるようにチームメートも成長し、昨年12月の全日本大学選手権は4強入り。同期生は4人がJリーガーとなった。一時は挫折したサッカー人生だが、特異な能力をプロでも発揮できれば、清水に新たな色が加わることになる。

 ◇河井 陽介(かわい・ようすけ)1989年(平元)8月4日、静岡県藤枝市生まれの22歳。青島SSS―藤枝FC―藤枝東FC―藤枝東―慶大。U―20日本代表。07年度全国高校選手権4強。11年度全日本大学選手権も4強。右利き。1メートル65、59キロ。独身。血液型はA。

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2012年3月6日のニュース