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沢不在も高瀬弾!なでしこ、米国撃破し決勝進出

[ 2012年3月6日 06:00 ]

アルガルベ杯<日本・米国>後半38分、決勝ゴールを決めた高瀬(右から2人目)はイレブンの祝福を受ける 

 沢抜きで米国を倒した。歴史的勝利だ。なでしこジャパンは5日、アルガルベ杯1次リーグ最終戦で米国を1―0で破り、B組1位で決勝に進んだ。米国とは昨年7月のW杯ドイツ大会決勝以来の対戦。エース沢穂希(33=INAC神戸)が体調不良で欠場したが、後半38分に高瀬愛実(21=INAC神戸)が決勝点を挙げた。W杯のPK勝ちは記録上引き分け扱いとなるため、これが米国戦初勝利。対戦成績は日本の1勝4分け21敗。決勝は7日午後1時10分(日本時間同日午後10時10分)からファロで行われる。

 大黒柱の沢が欠場した一戦。米国を初めて90分で破る値千金弾を決めたのは“眠れる怪物”高瀬だった。後半20分から途中出場。後半38分、宮間が蹴った左CKをファーで待ち構え、1メートル65の長身を生かして頭でゴール右隅に押し込んだ。「前半からみんなが体を張って守ってくれた。最後にリスタートから決められてよかった。(米国戦で決めたことは)うれしいが、1点は1点」と端正な顔に笑みを浮かべた。

 “怪物”がついに目覚めた。ピッチでは外国人にも当たり負けしない体力が売りの自称「フィジカルモンスター」。ゴール前の密集地でも体格に勝る米国選手に当たり負けしなかったことが決勝ゴールに結びついた。

 これが代表5点目。これまでは高いポテンシャルを発揮できなかった。昨年のW杯は1試合に5分間途中出場しただけで無得点。9月のロンドン五輪アジア最終予選では2度の先発したがゴールは遠かった。定位置のトップではなくサイドハーフでの起用もあったためだが、ふがいない結果に五輪出場権を獲得したにもかかわらず号泣した。

 「びくびくしながらやっていてミスが多かった。でも今年一年は苦しむ年。開花するかどうかは自分次第です」。自らにハッパをかけてINAC神戸でもサイドハーフに挑戦。少しずつ動きを理解し昨季の全日本選手権では4得点。上昇カーブを描きかけたが、今年2月の和歌山合宿では初めてセンターバックで起用されるなど再び試行錯誤が続いた。だがこの日は本職のFWでの起用。佐々木監督は「後半勝負と思っていた。よく決めてくれた」と目を細めた。

 INAC神戸では沢や川澄らスターに匹敵する人気を誇る。理由は練習後に時間をかけてファンにサインをしたり、コミュニケーションを取ったりするからだ。「別にファンサービスじゃないんです。来ていただいているからできることをしているんです」と謙虚な姿勢を崩さない。普段は控えめなストライカーが、米国戦という大一番で爆発した。「まだ決勝がある。また1点取れるよう頑張りたい。最後までみんなで気を引き締めて戦って優勝したい」。FW陣では永里、安藤、川澄に続く“第4の女”が決勝でもヒロインとなる。

 ◆高瀬 愛実(たかせ・めぐみ)1990年(平2)11月10日、北海道北見市生まれの21歳。中学時代は釧路リベラルティでプレー。北海道文教大明清高に進学し、北海道女子リーグで2年連続得点王。09年にINAC神戸に入団し、ルーキーながらリーグ戦19試合16得点で新人王を獲得。1メートル65、59キロ。血液型O。

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