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U―23代表でもエース剥奪…悩めるFW永井 真価の2年目へ

[ 2012年3月5日 12:44 ]

U―23日本代表でもレギュラーの座を剥奪…苦悩が続くFW永井謙佑

J1注目の男 名古屋FW永井謙佑

 こんな状況に陥るとは1年前には誰も予想できなかった。昨シーズン、アジア大会得点王など、輝かしい実績を引っ提げてプロ生活をスタートさせたFW永井謙佑(22)は厳しい現実に直面した。チーム独特のフォーメーションになじめずにベンチスタートが定着。同世代の選手が次々と初ゴールを決める中、8月7日の磐田戦(瑞穂陸)でようやくリーグ戦初得点を記録。それでも27試合で3得点は本人にとっても不本意なはずだ。

 今季の滑り出しも決して好調とは言えない。かつては絶対的なエースの座を誇っていたU―23日本代表でも、ロンドン五輪最終予選中にレギュラーを剥奪された。チームを離れることが多いため、3―4―3の新システムに順応する時間もない。2月24日のJ2松本との練習試合後には、「やっていていつもと違った。キャンプにもいなかったし、周りから遅れていると思う」と正直な思いを吐露した。

 だが、タイトル奪回に向け、2年目を迎えるストライカーの復活は絶対条件だ。今季はDFダニエルとDF石櫃のほかに新人4選手を加えただけで派手な補強を控えた。もちろん、2年連続得点王のFWケネディやDF闘莉王ら、スタメンにはJ有数の実力派が名を連ねるが、他クラブから警戒される中、50メートルを5秒8で駆け抜ける快足FWがフィットすることが重要だ。

 今季は「永井以上に速い」(久米GM)という新人MF田鍋が加入したことも、大きな刺激材料ともなる。ロンドン五輪で輝くため、かつて暮らしたブラジルで開催される14年W杯へ出場するため、真価を問われるシーズンとなる。

 ◇永井 謙佑(ながい・けんすけ)1989年3月5日生まれの22歳。広島に生まれブラジルに移住。帰国後は福岡の九州国際大附属高から福岡大に進学した。09年に日本代表に選ばれると南アフリカW杯のバックアップメンバーとしてW杯に帯同し、11年から名古屋でプレー。昨季は27試合3得点。福大在学中に特別指定選手として09年にJ2福岡で5試合0得点、10年の神戸で3試合0得点。日本代表では1試合0得点。1メートル77、74キロ。

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2012年3月5日のニュース