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12年初戦3発快勝も…ザック監督 新顔振るわず不満爆発

[ 2012年2月25日 06:00 ]

<日本・アイスランド>後半、ピッチ脇から大声で指示を送るザッケローニ監督。手前は槙野

キリン・チャレンジカップ 日本3-1アイスランド

(2月24日 長居)
 ザックのテストは不発に終わった。日本代表はアイスランド代表に3―1で勝った。前半2分、FW前田遼一(30=磐田)が先制すると、MF藤本淳吾(27=名古屋)、DF槙野智章(24=浦和)がともに国際Aマッチ初ゴールを決めて突き放した。しかしアルベルト・ザッケローニ監督(58)が起用した新戦力は結果を出せず、消化不良の内容だった。25日にはW杯3次予選ウズベキスタン戦(29日、豊田)のメンバーが発表される。 
【試合結果】

 ふがいない戦いぶりに、ザッケローニ監督はいら立ちを隠せなかった。6月にはW杯最終予選がスタートする重要な2012年の初戦を勝利で飾り、「この試合の重要性をみんな理解していた。きょう重要だったのは、勝利で再スタートを切ることだった」と話したが、試合中は厳しい表情を崩すことはなかった。

 この日の最大のテーマは、最終予選に備え新たな切り札を発掘することだった。左MFには10年W杯南アフリカ大会以来の招集となった大久保を先発起用。後半には代表デビューの田中を左MFで、就任後初めて招集した石川を右MFでテストした。だが、3選手とも大きなインパクトは残せずに終わった。

 もともと両サイドのMFは香川(ドルトムント)を筆頭に、岡崎(シュツットガルト)、清武(C大阪)らタレントぞろいだが、今後ケガで招集できないことも想定され、彼らに代わる戦力の確保は不可欠だ。また途中出場でゲームの流れをガラッと変えるスーパーサブも必要となる。指揮官は「出場した選手はみな、私の要求を忠実にこなした」と前向きに語った。Jリーグはプレシーズンの段階のため、フィジカルコンディションにばらつきがあったことも確かだが、期待した結果を得られず、内心は穏やかではなかったはずだ。

 もちろん収穫もあった。これまで出場機会には恵まれなかったものの、常に日本代表メンバーに名を連ねていた選手が結果を出した。藤本と槙野はともに代表初得点を記録。先発デビューを果たした増田も豊富な運動量で積極的なプレーを見せた。これには指揮官も称賛の言葉を並べ「就任してから1年半。多くの選手を招集してきたが、全てのポジションにおいて、ゆっくり寝られるほど十分なギャランティ(保証)を私に与えてくれる」と笑顔を見せた。

 常連組と初招集組で明暗がくっきり分かれた形だ。今後について「良い結果を残し続ける条件はそろっている」と自信をのぞかせたザッケローニ監督が、今後どのようにチームを成長させるか注目だ。

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