×

丸山 高槻入団会見で“天然”「大阪着いたら膝良くなった」

[ 2012年2月17日 06:00 ]

<スペランツァFC大阪高槻発表会見>真新しいユニホームを手に笑顔を見せる丸山桂里奈(右は奥山稔社長)

 今季からなでしこリーグに昇格するスペランツァFC大阪高槻(大阪高槻)は16日、大阪市内で新体制発表会見を行い、昨年の女子W杯ドイツ大会優勝メンバーのFW丸山桂里奈(28)が千葉から移籍したことを発表した。プロ契約で契約期間は1年。背番号は14に決まった。右膝負傷からの完全復活を目指し、新たな環境での挑戦を選択した丸山は、打倒INAC神戸を誓った。

 事前の発表はなし。サプライズ移籍会見だった。選手全員が壇上に顔をそろえ、司会者が「もう1人スペシャルゲストがいます」と促したところで、丸山が姿を見せた。そして会場がどよめく中で決意を表明した。

 「代表での経験を伝えたい。INAC神戸を倒せるチームにしたいと思っている」。沢穂希らを擁す昨季女王に挑戦状を叩きつけた。今季からなでしこリーグに昇格する大阪高槻のプロ選手は丸山1人だけ。練習は夜行われ、練習場所も各地を転々としている。実力、環境ともにINAC神戸とは差があるものの「3年で優勝できるようにしたい」と言い切った。

 さらに「新幹線で(新大阪に)着いた時、膝が良くなった気がしたんです。占いで西がいいって言われているからかな」と会場の笑いを誘い、「たこ焼きもお好み焼きも大好き。チームにも早くなじめると思う」と明るい表情で話した。

 自信の裏にはリハビリで得た手応えがある。昨年9月のロンドン五輪アジア最終予選中国戦で右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂し、手術を受けた。回復具合は「7・5割」。万全ではないが、ボールを蹴ったり、加速走をこなしたりするまで復調している。2月中は都内でリハビリに専念するが、3月上旬に大阪へ引っ越し、チームに合流。開幕戦(4月14日か15日)での復帰を目指す。

 その先にはなでしこジャパン復帰を見据える。「これから良くなっていくチームだし、私も一緒に成長したい。ロンドン(五輪メンバー)の一員にも選ばれたい」。右ふくらはぎ肉離れで離脱中の沢とはメールで励まし合っている。移籍を報告すると「お互い関西だし、早くケガを治して一緒にサッカーをしよう」とエールをもらった。チームの躍進とロンドン五輪出場。大阪で再スタートを切る丸山は二兎(にと)を追う。

 ◆丸山 桂里奈(まるやま・かりな)1983年(昭58)3月26日、東京都生まれの28歳。入一SC(大田区)―東京ガスサッカースクール―読売メニーナ―村田女高―日体大―東京電力―フィラデルフィア(米女子プロリーグ)―千葉。05年Lリーグ(現なでしこリーグ)新人王。日体大在学中の02年に初の日本代表入り。03年W杯、04年アテネ五輪、08年北京五輪、11年W杯に出場。通算68試合14得点。趣味は読書、ドライブ。1メートル63、56キロ。血液型O。利き足は右。

 ▽スペランツァFC大阪高槻 1990年創設。91~99年は松下電器(現パナソニック)がスポンサーとなり松下電器レディースSCバンビーナとして活動。94年に日本女子リーグ優勝。00年からスペランツァFC高槻となり07~08年、10~11年は2部に所属。今季からなでしこリーグに昇格。チーム名に「大阪」を加えた。ホームスタジアムは主に高槻市萩谷総合運動公園サッカー場を使用。

続きを表示

この記事のフォト

2012年2月17日のニュース