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目に涙をためた守護神 「自分が下ばっかり見ていても…」

[ 2012年2月6日 09:23 ]

<U23シリア代表・U23日本代表>後半45分、シリアが勝ち越しのゴール

ロンドン五輪アジア最終予選C組 日本1-2シリア

(2月5日 ヨルダン・アンマン)
 1―1で迎えた後半45分。相手DFサリハがペナルティーエリア外から強烈なドライブシュートを放った。大きな弧を描いた軌道はゴール手前で鋭く落ちた。虚をつかれたGK権田は両手を伸ばしたが、止めることはできなかった。

 常に自らを律し、仲間にも厳しい言葉を投げかけてきた守護神の声は震えていた。「本当に申し訳ない。謝るのもおこがましい。みんな体をなげうっていたのに一番後ろがこれでは…。反省というレベルではない。すべての人に申し訳ない」。前半18分のオウンゴールも目の前でバウンドしたボールを捕り損ねた。ピッチが荒れ放題だったとはいえ「あれもミス」との思いがあった。試合後は敗戦の責任を1人で背負い込んだ。

 「これで自分が下ばっかり見ていてもチームのためにはならない」。目に涙をためた権田は、気持ちを奮い立たせるのに必死だった。ドーハ合宿中に行われた、カタールとの練習試合では、ふがいない試合内容にもかかわらず、ハーフタイムに笑顔を見せていたチームメートに苦言を呈した。強い正義感、そして勝利への執着心は誰もが認めるところ。だからこそ責める選手はいなかった。

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