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キレキレ香川が2点目演出!ドルトムント4連勝で暫定首位

[ 2012年2月5日 06:00 ]

<ニュルンベルク・ドルトムント>後半、シュートを放つドルトムントの香川

 ドルトムントの日本代表MF香川真司(22)は3日、アウェーのニュルンベルク戦に4―2―3―1のトップ下でフル出場。後半37分に2点目の起点となる右足シュートを放つなど、2―0の勝利に大きく貢献した。ドルトムントは怒とうの4連勝を飾り、3日の試合終了時点で暫定首位に躍り出た。

 ピッチ横の温度計はマイナス11度を指していた。いてつく寒さを吹き飛ばしたのがトップ下に君臨する香川だった。後半37分。ゴール前で右足を一閃(せん)。相手GKが懸命にはじくが、すかさず途中出場のFWバリオスが決め、勝利を決定づけた。「雪が降ってるわけではないし、芝も悪くなかった。(寒さは)大丈夫でしたよ」。2点目を演出した香川は白い息を弾ませた。

 敵地で決めた怒とうの4連勝。香川は試合後「きょうは何より彼が決めたことがチームにとっても大きい」と、親友バリオスの得点を自分のことのように喜んだ。昨季16得点のエースも今季は太腿の故障に泣き、出番が激減。この冬は放出要員とされ、フルハムとの交渉も合意寸前まで進んだ経緯がある。サポーターからも絶大な支持を受けるエースの、意地の詰まったゴールはチームを加速させた。

 欲を言えば、自分でも得点を決めたかった。だが香川は「今、無心で試合ができている。体の切れを感じるしプレーの選択肢だったり、質が凄く上がっている感じがする。それを楽しんでプレーできている」と言う。恐ろしいほどプレーに集中し、同時に客観的な視点を持つ、もう一人の自分がいる。2得点1アシストを決めた前節ホッフェンハイム戦に続く活躍。今の香川は完全に“ゾーン”に入っている。

 味方のシュートにつなげるラストパスの本数も5本とチーム最多を記録した。前半11分の相手CKの場面では、ゴールライン上で相手の決定的なシュートをクリアし、試合の流れを変えるビッグプレーも見せた。スペイン、イタリア、イングランドのビッグクラブが今夏の獲得に興味を示す司令塔が、その注目度にふさわしいクオリティーの高さを見せた。

 3日を終え、勝ち点43のドルトムントは暫定首位に浮上し2年連続Vも現実味を帯びてきた。昨季は1月のアジア杯韓国戦で右足小指を骨折し、喜びも半減だったが、今年こその思いは徐々に強まっている。

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2012年2月5日のニュース