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サッカー場暴動から拡大 軍政へ大規模抗議で3人死亡

[ 2012年2月3日 21:30 ]

 エジプト北部ポートサイドのサッカー場で74人が死亡した暴動で、軍政当局や警察が惨事を防げなかったことに抗議する若者らが2日から3日にかけ、首都カイロや北東部スエズで治安部隊と衝突、計3人が死亡した。負傷者は治安部隊が撃ち込むなどした催涙ガスによる呼吸障害を含め約1700人に上った。国営テレビなどが伝えた。

 警察を統括するカイロ中心部の内務省前や近くの広場では2日から数千人が抗議行動を展開。内務省前では3日、数百人が投石し、治安部隊は催涙弾を発射した。

 暴動による犠牲者は同国サッカー史上最大規模で、市民の批判は治安当局や暫定統治を担う軍最高評議会に向かっている。首都にも混乱が広がったことで、改革の速やかな遂行を求める市民勢力と、軍政との対立が再び深刻化する恐れもある。

 救国内閣のガンズーリ首相は2日、人民議会(国会)で、ポートサイド県知事の辞表を受理したと述べ、自身にも惨事を防げなかった責任があるとして取り調べに応じる意向を示した。軍側も暴動の徹底捜査の意向を示しているが、沈静化につながるかは不透明だ。

 暴動は1日夜、ポートサイドの地元チームのファンらが試合後にグラウンドに乱入し相手チームの選手やファンを襲撃、逃げようとした際に多くが圧死したという。(共同)

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2012年2月3日のニュース