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クローゼ 新天地で宙返り解禁!輝き取り戻す33歳

[ 2012年1月17日 06:00 ]

<ラツィオ・アタランタ>後半ロスタイムにゴールを決めたクローゼは「サルト・クローゼ」を披露する

セリエA ラツィオ2-0アタランタ

(1月15日)
 ラツィオのFWミロスラフ・クローゼ(33)が15日、ホームのアタランタ戦でダメ押し弾を挙げるなど2―0の勝利に貢献した。出場機会を求めて今季加入したドイツ代表のストライカーは、ここまでチーム最多の9得点を記録して4位躍進に貢献。今夏の欧州選手権と14年W杯ブラジル大会で活躍を誓うベテランが健在をアピールしている。
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 われを忘れた。後半ロスタイムだ。ゴールを背にしたクローゼが左足でパスを受けると、巧みなターンと右足で相手DFをかわし、左足で狙いすました一撃をゴール左隅に蹴り込んだ。どこまでも冷静なベテランらしいフィニッシュ――。一転、感情を抑えきれないように前方宙返りで祝った。

 「ホームで勝つことは重要。とても満足している」と興奮した様子で振り返ったクローゼ。アクロバティックなパフォーマンスは02年W杯日韓大会でも披露するなどトレードマークだったが、膝に不安を抱える最近ではドクターストップがかかっていた。33歳。もはや若くはない。しかし、チームが最後に勝利を挙げた昨年12月10日のレッチェ戦以来4戦ぶりのゴール。喜びに身を委ねた。

 06年W杯ドイツ大会得点王も、過去2季はバイエルンMで控え。初の海外挑戦で復活を遂げた。

 原点回帰のためプロになったカイザースラウテルン時代と同じ背番号25を選んで練習からハードワーク。今季公式戦初戦だった昨年8月18日のラボトニツキ(マケドニア)との欧州リーグプレーオフ第1戦は1得点3アシストでレーヤ監督から「力を出し惜しみせず、チームプレーをこなせる」と強い信頼を勝ち取った。

 得意の空中戦だけではなく足元でボールを収めてパスをつなぎ、攻撃の幅を広げた。「信頼されて自由を与えられるのはとても大切なこと」。同10月16日のローマダービーではロスタイムに劇的な決勝点。ファンの絶大な支持を得て「サンタクローゼ」と名付けられた。

 ブンデスリーガ得点王のFWゴメス(バイエルンM)と1トップを争う代表ではゲルト・ミュラーの通算最多得点68まで5点。W杯通算得点でもFWロナウド(ブラジル)の最多記録15得点にあと1点と肉薄している。「記録更新を目指していく。14年までラツィオでプレーしてW杯に出場する。自分が楽しんでいる間は現役を続けられれば…」。新天地で輝きを取り戻した点取り屋の挑戦は、まだまだ終わりそうにない。

 ◆ミロスラフ・クローゼ 1978年6月9日、ポーランド・オポーレ生まれの33歳。87年ドイツ移住。カイザースラウテルン―ブレーメンを経て07年バイエルンM移籍。今季ラツィオ入りした。ドイツ代表では02年W杯1次リーグ・サウジアラビア戦でハットトリック。06年W杯は5得点で得点王。代表通算113試合63得点。1メートル82、81キロ。

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