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四中工Vスルリ…浅野、歴代最多タイ6戦連発も届かず

[ 2012年1月10日 06:00 ]

<市船橋・四日市中央工>前半1分、先制ゴールを決める四日市中央工・浅野(左から2人目)

全国高校サッカー選手権決勝 四日市中央工1―2市船橋

(1月9日 国立)
 喜びは控えめだった。後半ロスタイムに同点に追いつかれ、延長戦で力尽きた四日市中央工のFW浅野は、通算7得点で単独の得点王に輝いたものの「(得点王を)目指していたので、個人的にはうれしいけど、優勝した上での得点王が良かった」とうつむいた。

 開始58秒、CKからのこぼれ球を右足で押し込み、歴代最多タイの6戦連続得点となる先制弾を決めた。相手GKのスーパーセーブに阻まれたものの、延長前半4分には絶妙のループシュートで場内を沸かせた。しかし小倉隆史氏(スポニチ本紙評論家)らが在籍した91年度以来20大会ぶりの優勝には届かなかった。

 それでも間違いなく主役の1人だった。出場全試合得点は08年度の大迫勇也、野村省悟(鹿児島城西)以来。2年生得点王は02年の平山相太(国見)以来。3回戦・立命館宇治戦、準々決勝・中京大中京戦では2戦連続で後半ロスタイムに同点弾を決めてPK戦勝利に貢献した。

 チームとしても準優勝は胸を張れる成績だ。昨年夏、島根県で開催された招待試合「出雲カップ」で広島ユースに0―2、0―7で完敗したのが転機だった。それ以降、ボールを奪われてから3秒間相手を追いかける「3秒ルール」を導入し、攻守の切り替えを徹底させた樋口士郎監督(52)は「感謝の気持ちしかない。選手を褒めてあげたい」と教え子をねぎらった。1、2年生が先発8人を占める。4月に最上級生となる浅野は力強く前を向いた。「金メダルと銀メダルでは倍以上の差がある。来年はもっとたくましくなって優勝したい」。全国制覇の夢は来年果たせばいい。

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