渡辺健斗驚きFK弾!市船 5度目日本一に王手

[ 2012年1月8日 06:00 ]

<市船橋・大分>前半24分、市船橋・渡辺はFKからゴールを決め笑顔を見せる

全国高校サッカー選手権準決勝 市船橋2―1大分

(1月7日 国立)
 全国高校サッカー選手権準決勝2試合が行われ、市船橋(千葉)が大分を2―1で下し、7大会ぶりの決勝進出を決めた。立役者は公式戦初得点を挙げたMF渡辺健斗(2年)。公式戦で初めてFKを任されながら見事な先制弾を叩き込み、チームに勢いをつけた。名門復活を目指す市船橋は9大会ぶり5度目の優勝を目指し、9日の決勝(国立)で四日市中央工(三重)と対戦する。
【試合結果 トーナメント表】

 千載一遇のチャンスを逃さなかった。前半24分、相手の反則で得たゴール前やや左、約20メートルのFK。監督の指示を聞いてピッチに戻ったMF渡辺はFW和泉から声をかけられた。「お前が蹴ろ」。普段蹴っているFW菅野が先発を外れていたとはいえ、まさかのキッカー指名。舞台も初の国立だったが、背番号「23」に緊張も重圧もなかった。「立った瞬間、入ると思った」。壁は見ずに右上だけ狙い澄まし右足を振り抜いた。自信を持って放ったシュートは美しい弧を描き、ゴール右上に吸い込まれた。

 公式戦初のFKで公式戦初得点。観客席の母・恵子さん(50)も「公式戦は全部見てますけど、FKも蹴ったことないし、得点も初めてなので、びっくり仰天ですよ」と興奮を抑えきれない。“持ってる男”が勢いをつけ、後半11分には主将の和泉が追加点。相手の反撃を1点に抑え、7大会ぶりの決勝を決めた。

 重要な場面で渡辺にFKを託した主将の和泉は「練習でいいボールを蹴っていたし、勝つためには確率が高い人が蹴るべき」と当たり前のように話す。大会直前の自主練習だった。渡辺は和泉とほぼ同じ角度、距離の設定で5本中3本を決めてみせた。適性の高さに周囲は「G大阪の(日本代表MF)遠藤のキックみたいだ」と絶賛。渡辺も期待に応えてみせたが、日替わりのヒーローが出る層の厚さも強さの要因となっている。

 準々決勝までの4試合で17得点を挙げた大分はロングボール主体の縦への速攻という武器を備えていた。片や、市船橋はこの日を含む全9得点中6点をセットプレーで挙げるなど“飛び道具”で対抗。相手の攻撃にはDFが競り合い、こぼれ球を守備的MFが対処。DF小出は「きちんとはね返して、セカンドボール勝負と思っていた。FWの裏への飛び出しもコントロールできた」と胸を張った。

 かつて高校サッカー界のスターと呼ばれた市船橋OBのFW北嶋秀朗も、所属する柏レイソルをけん引し初のJ1制覇を飾った。そんな時代の“流れ”にもちゃっかりと乗って、優勝4回の古豪は名門復活ロードを突き進んでいる。

 ◆渡辺 健斗(わたなべ・けんと)1995年(平7)2月8日、千葉生まれの16歳。2、3歳から兄2人とサッカーを始める。実籾マリンスターズ、ヴィヴァイオ船橋を経て市船橋に入学。1年冬から主力として右SBを務める。今大会はボランチで出場する。1メートル77、71キロ。血液型B。家族は両親と兄2人。

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