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沢INACけん引 念願元日決戦「いい1年の始まりに」

[ 2011年12月28日 06:00 ]

<INAC神戸・岡山湯郷>前半44分、INAC神戸・高瀬のゴールで沢が大野(10)と抱き合って喜ぶ

全日本女子選手権準決勝 INAC神戸4-1岡山湯郷

(12月27日 国立競技場)
 決勝進出を決めたINAC神戸のイレブンは晴れやかな表情で健闘を称え合った。大黒柱、沢は「全然勝って当然と思っていないし、リーグも終盤は失速した」と気を引き締めるが、元日への思いを問われると素直に心境を吐露。「元日にサッカーができるのはうれしい」と少しだけ表情を緩めた。

 日テレに所属していた昨年は3回戦で常盤木学園高にPK戦で敗れる憂き目を味わった。準決勝どころか、クリスマス前に敗退。ライバル達が熱い思いをピッチにぶつけていた年末年始を静かに過ごす羽目になった。しかし最強クラブに移籍した今季、その悔しさを惜しむことなくプレーにぶつけている。

 得点は川澄に任せて、1ボランチとして中盤の底でピンチの芽を摘み続けた。それでも機会があれば、前線に繰り出し、ピンチとあらば全速力でゴールに戻って体を張った。主に対峙(じ)したのは、なでしこジャパンのチームメートでもあるMF宮間。「相手がうまいとやりがいがある。でも戦ってみると、宮間は味方でいてくれた方がいい」と苦笑いを浮かべるが、「4点をとれたのは大きい」と前向きな言葉も口にした。

 なでしこジャパンでコンビを組む阪口とマッチアップする決勝は、沢の出来が命運を分けるといっても過言ではない。「年の初めに大きな大会で勝って、いい1年の始まりにしたい。多くの人が注目してくれる中でいい内容のサッカーができれば」。五輪金メダルが至上命令となった12年は、沢が勢いをつけないと始まらない。

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2011年12月28日のニュース