×

PK戦 なぜGKが7人目?ゴトビ監督「何人かが蹴りたくなかった」

[ 2011年12月25日 10:27 ]

<C大阪・清水>オーロラビジョンに清武の勝利インタビューが映る中、ガックリと引き揚げる山本ら清水イレブン

天皇杯準々決勝 清水2―2(PK5―6)C大阪

(12月24日 長居)
 清水が10年連続の無冠に終わった。準々決勝でC大阪と対戦、途中出場のMF小野伸二主将(32)、FW高木俊幸(20)のゴールで2度のビハインドを追いつき、延長戦にもつれ込んだが、PK戦で5―6と敗れた。清水は全日程を終了、25日に解団式を行い、来年1月16日の始動に備えてオフに突入する。

 ともに1人ずつ外して迎えたPK戦の7人目。後攻・清水のキッカーはGK山本海人(26)だった。右足で蹴ったボールが左ポストを叩いて跳ね返ると、守護神は倒れこんだまま、しばらく立ち上がれなかった。

 「PKは練習でも決めていたし、監督に冗談で1番手で蹴らせると言われた」と山本海。ただ「7人目とは思わなかった」。延長後半終了間際にFW高原直泰(32)が相手GKと接触し、頭部を負傷したことで繰り上がったが、それでも山本海は8人目の予定だった。

 アフシン・ゴトビ監督(47)は「これが来季の最大のテーマ。(表情などから)何人かのフィールドの選手がPKを蹴りたくなかった。チームに対する責任を持ってほしい」と言った。ただPKの順番を決めるのは最終的には指揮官の責任。相手PKを阻止することに全神経を集中し、しかも日頃PKを蹴る練習はあまりしないGKが蹴る順番としては7、8番目は異例だ。

 敗れはしたが、この日の清水は粘りを見せた。5カ月前の7月23日、同じ相手、同じ会場でのリーグ戦は0―4。先発したMFフレドリック・ユングベリ(34)が左大腿裏を負傷し、開始から19分で交代した。代わって左膝じん帯損傷から復帰したばかりで本調子ではない小野を投入し、チャンスを演出。23分には高原が相手ハンドを誘って獲得したPKを決めた。

 「試合をやりたくてウズウズしていた。守備面で迷惑をかけたが、その分攻撃でいい形を出そうと思った」と小野。そして「ケガをしっかり治し、来年は元気な姿を見せたい」と言った。清水との契約更改交渉は難航しているが、小野が中心になってつくってきた新生・清水だけに、来季も欠かせない存在だ。「ジェットコースターに乗っているようだったが、基盤はできた」とゴトビ監督は今季の財産を来季に生かす。

続きを表示

2011年12月25日のニュース