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相手はFC東京…石崎監督「わしなら勝てる。わしが勝たせる」

[ 2011年12月3日 11:10 ]

練習を笑顔で見つめる札幌・石崎監督(左)

 わしがJ1へ導く。札幌の石崎信弘監督(53)が、J2王者を撃破しての昇格に自信を見せた。3日のFC東京戦(札幌ドーム)に向け、2日は試合会場の札幌ドームでミニゲームなどで調整。4位徳島と勝ち点65で並ぶ激戦も、指揮官同様、選手たちもリラックスムードで汗を流した。

 大一番を前にしても笑いが絶えなかった。ミニゲームを終え、敗戦チームの代表者が行う一発芸で和やかムードに。最後はムードメーカーのDF岡山が、締めを披露する。自身の差し歯を強引に抜き取る鉄板芸。すると石崎監督の下へ悠然と走り出した。もみくちゃになる2人。岡山の体を張った芸に緊張感は消え、指揮官は思わず「岡山の差し歯はもう飽きた」と笑った。

 相手は圧倒的な強さでJ2を制した。ただ臆する人間は誰もいない。今季は開幕から連敗スタート。夏場に調子を上げたが、勝負どころの10月に3連敗を喫するなど、何度も崖っ縁を味わった。しかし今、最終戦で昇格に手の届く位置にいる。指揮官は力強く言った。「普通じゃFC東京に勝てないけど、わしなら勝てる。試合はわしが勝たせる」。過去、最終戦での昇格争いを4度経験。うち3度は勝ち点1差で逃すなど「悲運の名将」と呼ばれた。だが今回は自信がある。

 その根拠は選手の顔だ。4―0で大勝した8月17日の千葉戦(札幌ドーム)、そして敗れれば昇格が消える可能性があった前節・11月26日の湘南戦(平塚)。試合前に指揮官は「今週は選手の表情がいい。勝てる」と予言。そしてこの日も「選手はいい顔をしている」と目を細めた。

 昨オフに戦力外になりながらも再契約、レギュラーを奪取したMF砂川は「(石崎監督は)自分を必要としてくれた。結果で恩返しがしたい」と話すなど、チームは一体だ。

 京都と並び最多タイ4度目の昇格へあと一歩まで来た。クラブ側も、試合で選手のエネルギー源となるバナナを増量。勝てる可能性を少しでも上げるため、細かいところにまで気を配った。12・3、決戦。勝って決めよう。J1を。

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2011年12月3日のニュース