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“寄せ集め”金満パリSG ダービー敗戦で2位転落

[ 2011年11月29日 06:00 ]

フランスリーグ パリSG0-3マルセイユ

(11月27日)
 パリ・サンジェルマン(SG)が27日、アウェーで行われたマルセイユとの“フランス・ダービー”に0―3で敗れて首位から転がり落ちた。大型補強の成果で首位を走ってきたが、今季初めて連敗を喫するなど2位に後退。不協和音も伝えられ、優勝候補の筆頭に不穏な空気が漂い始めた。

 快進撃に陰りが見え始めた。連敗、3失点、3戦連続の白星なしはいずれも今季リーグ戦で初めての失態。パリSGのコンブアレ監督は「強い意欲を持っていただけに大きな失望だ」と嘆いた。

 10位に沈んでいた相手に完敗した。開始9分にロングパス一本から先制され、ボール際で競り負けて後手に回る展開。闘志あふれるプレーを続けた名門に底力を見せられ、後半も押し切られた。

 カタール王室保有の投資ファンドに買収されて迎えた改革元年。総額8610万ユーロ(約89億円)に及んだ今夏の補強費用はマンチェスターCに次ぎ、第8節から首位を走るなど効果を上げてきた。ところが司令塔パストーレに疲れが見え始めた最近1カ月で失速。一時8得点で得点王だったFWガメイロも5戦不発と勢いを失い、この日は後半13分の交代に芝を蹴り上げ、采配への不満をあらわにした。

 大型補強で集められた選手はそれぞれ高い能力を誇るが、寄せ集めで組織力と結束力の低さは否めない。新加入のガメイロは序盤戦で昨季チーム得点王のネネとPKのボールを奪い合い、マルセイユ戦の3日前にはネネとMFボドメルが練習中に衝突。また来年1月の補強でロサンゼルス・ギャラクシー(米MLS)のMFベッカム獲得が間近と伝えられる中、DFアルマンが「歓迎はできない。ピッチ内のことを考えれば」と懸念を示すなど浮足立っている。

 さらに混乱に拍車を掛けているのがインテル・ミラノ監督から転身したレオナルドGMだ。強豪にふさわしい名将を招へいしようと水面下で活動中といわれ、元ACミラン監督のアンチェロッティ氏と接触。この日の試合後は「負けたからといって何も変わらない」とコンブアレ監督の続投を強調したが、16日付のレキップ紙では「クラブが買収されれば変化は当然。未来のことを考えなければ」と人事の入れ替えも示唆しており、今後の戦い次第で早々に監督交代に動く可能性もある。

 首都パリを本拠地として注目を集めながら94年を最後にリーグ優勝がない人気クラブ。強豪復活へ過渡期を迎えている。

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2011年11月29日のニュース