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ベッカム Vアシスト!米集大へ好発進!

[ 2011年11月1日 06:00 ]

イレブンに指示を出すロサンゼルスのベッカム

西地区準決勝第1戦 ロサンゼルス1-0ニューヨーク

 ロサンゼルス・ギャラクシーの元イングランド代表MFデビッド・ベッカム(36)は30日、米メジャーリーグサッカー(MLS)のプレーオフ西地区準決勝第1戦でニューヨーク・レッドブルズを相手に決勝アシストを記録し、1―0の勝利に貢献した。契約が終了する今季限りでの退団が有力とみられる中、集大成となる初のリーグ制覇へ好スタートを切った。

 ベッカムの右足が試合を決めた。前半15分、絶妙の浮き球でFWマギーをゴール左前に走らせて決勝点をアシスト。「マイク(マギー)は、どこに走ればいいか分かっているし、いいアシストだったね」と笑顔を見せた。

 地元メディアで「決勝での顔合わせがふさわしい」とも報じられた黄金カード。ベッカムは米国代表FWドノバンにアイルランド代表FWキーンを従え、相手には元フランス代表FWアンリにメキシコ代表DFマルケスと年俸でリーグ上位の5人が一堂に会した。そんなスター競演の中で36歳と若くはない元イングランド代表主将が決勝点演出で存在感。ドノバンは「素晴らしかったね」と称え、マギーは「完璧なパスだった」と笑った。

 視界の先にあるのはMLS制覇。マンチェスターUで99年にプレミアリーグ、欧州CL、FA杯の3冠を制し、Rマドリードで07年にリーガ・エスパニョーラを制したことに比べれば、ささやかなように見えるが「自分にとって間違いなく偉業の一つになる。当然のように期待されてきたからね」とベッカムは言う。

 加入1年目にはホームの年間シート7000席の売り上げ増だけで490万ドル(約3億8700万円)の追加収入をもたらし、アウェー戦での1試合平均観客動員を3万1111人にほぼ倍増させるなどフィーバーを起こした。その後も着実に「MLS」と「ギャラクシー」の名前を世界に知らしめ、アンリやマルケスらスター選手参入に道を開いた。チームは経済誌フォーブスに「1億ドル(約79億円)以上の価値がある」と評価されるまでに成長。チームを保有するAEG社のレイウィケ会長は「ベッカム抜きには語れない」と貢献度を認めているが、ただ一つ足りないのが選手としての勲章である優勝だ。

 昨季と今季は総当たりのレギュラーシーズン成績で最多勝ち点を獲得。「ここ以外ならどこでも王者。メダルをもらってのんびりできるはずなのに…」。成績上位チームによるプレーオフを勝ち抜かなければ王者と認められない米プロスポーツならではのハードル。地元ロサンゼルスで20日に行われる決勝MLS杯に向け、最後になるかもしれない挑戦が始まった。

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2011年11月1日のニュース