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INAC神戸初V王手弾!!沢、起死回生同点ヘッド

[ 2011年10月31日 06:00 ]

<浦和・INAC>後半44分、頭で同点ゴールを決める沢

なでしこリーグ・第15節 INAC神戸1―1浦和

(10月30日 NACK)
 なでしこジャパンの主将のゴールで、INAC神戸が初優勝に王手をかけた。INAC神戸は30日、NACK5スタジアム大宮で浦和と対戦し、1―1で引き分けた。先制点を許す苦しい展開だったが、後半44分にMF沢穂希(33)がヘディングシュートを決めて勝ち点1をもぎ取った。2位・日テレとの直接対決となる11月6日のホームゲームで勝てば、クラブ初の優勝が決まる。

 自然に“正拳突き”が飛び出した。こん身のヘディングシュートがGKの手をはじいて右ポストに当たってからゴールネットを揺らすと、沢は右拳、左拳を順に突き出すド派手なガッツポーズ。「とにかく1点が欲しかったので、とっさに(ガッツポーズが)出た。みんなにも言われたけど、後から見たら恥ずかしい」。試合後に冷静に戻った沢は照れ笑いだった。

 FIFA女子最優秀選手候補にもノミネートされた、W杯得点王の決定力を見せつけた。0―1の後半44分だった。大野の左CKを川澄が折り返し、大野が右足で鋭いクロスを送ると、ゴール前の沢が頭で合わせた。「大野と目が合ったので、来ると思った。クロスが良かったので、合わせるだけだった」と8月6日の新潟戦以来となるゴールを笑顔で振り返った。

 W杯決勝・米国戦の同点ゴールと同様に、諦めない気持ちが貴重な一発を生んだ。守りを固める浦和を攻めあぐね、今季初黒星を覚悟する選手もいた。だが、日本の“ゴッド”は「絶対どこかで崩せるチャンスがある」と信じて飛び込んだ。視察したなでしこジャパンの佐々木監督も「ガッツポーズ?米国戦以来じゃない。最後の最後に持っていくのが凄い」と絶賛した。

 初優勝へのプレッシャーで、チームは苦しんでいる。1日の新潟戦で3―3で引き分けて開幕以来の連勝がストップすると、9日の岡山湯郷戦、16日の伊賀戦はともに1―0の辛勝。昨年まで所属した日テレで優勝経験のある沢は「自分とか大野とか近賀は最後に勝つ難しさを知っている。他の選手は分からないと思う」と説明する。誰よりも経験を重ねているからこそ「優勝は簡単なことじゃない。最後の最後まで何があるか分からない」と気を引き締めた。

 11月6日に行われる2位・日テレとの直接対決に勝てば、初優勝が決まる。「首位対決をホームでできるのは、いいシチュエーション。応援してくれる人の目の前でしっかり決めて、優勝の喜びを分かち合いたい」。W杯に続く優勝を、沢がすっきり決める。

 ▽INAC神戸の優勝決定条件 次節(11月6日)は勝ち点34の2位日テレと対戦。INACは○ならば勝ち点38とし、残り1試合の日テレは勝ち点最高が37止まりなので初優勝が決まる。△の場合は17節(11月12日)以降に決定は持ち越し。●の場合はINACは2位に転落するが、残り2試合(AS狭山戦、福岡AN戦)を連勝すれば逆転優勝となる。

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2011年10月31日のニュース