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“国立男”大迫15冠弾!!鹿島、被災地に贈るV

[ 2011年10月30日 06:00 ]

<ナビスコ杯決勝 鹿島・浦和>延長前半15分、ゴールを決めた大迫は両手を広げて喜ぶ

ナビスコ杯決勝 鹿島1―0浦和

(10月29日 国立)
 鹿島が浦和を1―0で破り、9年ぶり4回目の優勝を果たした。0―0で突入した延長前半15分にU―22日本代表FW大迫勇也(21)が右足で決勝弾。今大会3試合連続ゴールでMVPに輝いた。チームは5季連続のタイトル(リーグ、天皇杯、ナビスコ杯)で15冠を達成。いずれの大会でも優勝回数で単独トップに立ち、南米カップ戦王者と対戦する来夏のスルガ銀行杯出場も決めた。

 勝利の興奮冷めやらぬピッチ上での記念撮影。MVPに輝いた大迫が小笠原主将に促され、優勝カップを掲げた。「本当に勝てて良かった。ゴールは慎三さん(興梠)からいいボールが来た。MVPは、みんなに感謝です」。クラブにとって5季連続となる通算15個目のタイトル。若きストライカーが常勝の歴史に新たな一ページを刻んだ。

 鹿島の強さの秘けつが凝縮された決勝弾だった。0―0で突入した延長前半15分、大迫が、田代のワンツーで左サイドを突破した興梠のクロスを右足で押し込み均衡を破った。「結果を出さないと出られなくなるのが鹿島。ゴールはFW3人で完全に相手を崩せた」。今季は2トップが固定されず、大迫、田代、興梠の3人が定位置を争った。この日はチーム得点王の田代が先発落ちし、興梠が公式戦3試合ぶりに先発復帰。今季は大迫も先発落ちを繰り返しながら、激しいチーム内競争の中で成長。U―22日本代表の関塚監督が視察した大舞台で結果を出した。

 後半5分に相手に退場者が出て数的優位になったが、35分に青木がこの試合2度目の警告を受けて退場。終盤の最終ラインは右から柴崎、新井場、中田、フェリペ・ガブリエルと本職が一人もいない急造布陣だった。それでも中田は「大きな問題はなかった」と冷静に対応。クラブハウスのロッカーにはポルトガル語と日本語で「献身・誠実・尊重」がプロの魂というジーコの教えがつづられているが、大一番でもジーコ・スピリットで総力戦を制した。

 今季は既にリーグ優勝の可能性が消滅し、ACLも16強で敗退。大迫は「もっと決められるチャンスはあった。勝ったけど、課題は多い」と早くもリーグ残り4戦と天皇杯連覇に視線を向けた。優勝が毎年の恒例行事と化している常勝軍団にとって、15冠達成もさらなる進化への通過点にすぎない。

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