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ルーキー柴崎王手弾!!鹿島、最多4度目のVへ

[ 2011年10月10日 06:00 ]

<鹿島・名古屋>延長後半、決勝ゴールを決めた柴崎は喜びを爆発させる

ナビスコ杯・準決勝 鹿島2―1名古屋

(10月9日 瑞穂陸)
 ナビスコ杯・準決勝の2試合が行われ、鹿島はアウェーで名古屋に2―1で競り勝った。1―1で迎えた延長後半2分にMF柴崎岳(19)が右足でゴール。ルーキーのプロ初得点が決勝弾となり、5年ぶり7度目の決勝進出を果たした。決勝は29日、国立競技場で行われる。

 ニアサイドをぶち抜いた。1―1で突入した延長戦の後半2分、柴崎が本山のスルーパスに反応した。オフサイドポジションからパスの直前にオンサイドの位置に戻る駆け引きで、最終ラインを突破。右サイドの角度のない位置から右足を振った。「イメージ通り。あの角度だと上の方を狙えば入りやすい。インパクトあるシュートが打てた」。公式戦出場11戦目、3度目の先発で生まれたプロ初得点でチームを5年ぶりの決勝に導いた。

 日本代表合宿に参加中の増田の不在もあり、2試合連続の先発出場。小笠原とボランチを組み、才能の片りんを示した。背番号20には将来は十の位を1に変えて10番を背負ってほしいとの期待が込められており、ジーコ、レオナルドら偉大な先輩たちが付けてきた10番の後継者候補。くしくも、この日の得点は現在背番号10を任された本山のアシストから生まれた。

 6月22日の神戸戦で右第4中足骨を骨折。全治2カ月の重傷を負ったが、離脱中も向上心は失わなかった。リハビリで体幹強化に励みながら「(小笠原)満男さんのプレーを盗んでいた」と先輩のプレーを研究。小笠原はルーキー時代にビスマルクから技術を盗み、日本屈指の司令塔に成長したが、その遺伝子は受け継がれていた。

 9月25日に開催されたファン感謝イベントでは新人4選手に仮装が命じられたが、柴崎は直前で体調不良を訴えて回避。関係者は「明らかに仮病だったが、周囲に何も言わせない雰囲気だった」と明かし、ピッチ外でも大物ぶりを発揮している。決勝の会場となる国立競技場は、青森山田高時代に輝きを放った舞台で「いい思い出のある場所。当然、優勝を目指す」と気合十分。ロンドン五輪の代表入りをアピールするためにも、02年以来9年ぶりの頂点へ照準を定めた。

◆柴崎 岳(しばさき・がく)1992年(平4)5月28日、青森県出身の19歳。青森山田高2年時に鹿島と異例の仮契約を結び、今季から鹿島に入団。4月29日の福岡戦でJリーグデビューを果たした。09年U―17W杯に出場した“プラチナ世代”のボランチ。1メートル75、62キロ。右利き。血液型B。

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