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ローマ再生へ1勝“バルサ型は1日にして成らず”

[ 2011年9月27日 06:00 ]

<パルマ・ローマ>ゴールを決めチームメートの祝福を受けるオスバルド(左から2人目)

セリエA ローマ1―0パルマ

(9月25日)
 ローマが25日にアウェーで行われたパルマ戦で今季初勝利を挙げた。後半5分にFWパブロ・オスバルド(25)が決勝点を決めて1―0で競り勝った。バルセロナ型攻撃サッカーへの転換を図るルイス・エンリケ監督(41)が公式戦6戦目で待望の白星。強豪再生への第一歩をしるした。

 初勝利を告げる笛にローマのルイス・エンリケ監督が息をついた。リーグ4戦目。公式戦では6試合を戦った末の歓喜に「大事な勝利。選手に満足している」と笑った。

 高いボールポゼッションから攻撃を展開。後半5分はパスワークで守備を揺さぶり、右サイドバックのロージが空いたスペースでパスを受けた。すかさずファーサイドにクロスを上げ、オスバルドが頭で決勝点。波乱続きだったリーグ序盤戦で出遅れていたインテル・ミラノ、ACミランに続いて初勝利を手にした。

 大きな1勝だ。リーグ初の外国人オーナーとなった米実業家ディベネデット氏の「中長期的ビジョンで国際舞台で戦えるチームを」という意向を受け、バルセロナBチーム監督から転身。古巣のFWボージャンを獲得するなど今夏のセリエA最高の移籍金総額5840万ユーロ(約60億円)の補強でシーズンを迎えた。

 ところが欧州リーグのプレーオフでスロバキアの伏兵スロバン・ブラチスラバ相手によもやの敗退。FWトッティは起用法に不満を示し、新監督の去就が注目される事態に発展した。クラブの説得を受けた主将は「一番に考えなければならないのはチーム」と矛を収めてファンに指揮官への支援を求めたが、リーグ開幕後も苦闘の連続。前節シエナ戦は終了間際の失点で引き分けた。それでも監督の首をすげ替えたインテルと違い、オーナーが再三、監督支持を表明。雑音封じを徹底して初勝利へ環境を整えた。

 この日は1点にとどまったが、3トップの中央に入ったトッティが本家バルセロナのメッシ同様に時には中盤まで下がって攻撃を組み立て、パスさばきが光った前リヨンのピャニッチら新戦力も存在感を示した。エスパニョールから加入して2戦連続得点のオスバルドは「プロジェクトを信じる。時間があれば偉大なことを達成できるさ」と訴えた。

 「監督は常に結果次第だが、解任を恐れはしない。攻撃サッカーを目指す考えに変わりはない」守備の国でスペイン人監督の挑戦が始まった。

 ◆ルイス・エンリケ 1970年5月8日、スペイン・ヒホン生まれの41歳。主に攻撃的MFとして活躍し、89年に地元ヒホンでデビュー。Rマドリードを経て96年にバルセロナ入り。スペイン代表では62試合12得点を記録し、W杯出場3回。04年に現役を引退し、08~09年から昨季までバルセロナBを3季率いた。
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2011年9月27日のニュース