×

川澄、バースデー2発!「25歳より、いい年に」

[ 2011年9月24日 06:00 ]

<千葉・INAC>後半15分、2点目のゴールを決めた川澄は舌をペロリ

なでしこリーグ INAC3―0千葉

(9月23日 フクアリ)
 川澄がバースデー弾を決めた。なでしこリーグは23日に再開。なでしこジャパン7人を擁する首位のINACはアウェーで千葉に3―0と快勝した。この日が26歳の誕生日だったFW川澄奈穂美が2ゴールを挙げる活躍でチームを開幕9連勝に導いた。川澄は得点ランクでもチームメートのFW大野忍(27)と並びトップに浮上。26歳になったシンデレラガールが会心の再スタートを切った。

 25歳で世界の頂点に立ち最高の思い出をつくったFW川澄。26歳最初の日も忘れられない1日になった。まずは前半38分、MF沢のスルーパスからFW大野がシュート。こぼれ球に詰めて左足で合わせると、先制ゴールがネットを揺らした。

 駆け寄った仲間から「ハッピーバースデー」と祝福されたバースデー弾。だが、開始10分までに2度もGKとの1対1の決定機を外していただけに1点で満足するはずがなかった。後半15分、MF米津の右クロスに合わせて、トップスピードでゴール前に走り込み、今度は右足で押し込んだ。

 「1点目はシノさん(大野)のシュートからだし、2点目もクロスに合わせるだけだった。仲間に助けてもらっての得点です。誕生日は意識していないけれど、いいスタートが切れた。チームに弾みをつけるためにも得点は大事」。謙虚に話したが、開幕9連勝をもたらす大仕事だった。

 チームメートの誕生日には、自らケーキを焼いてお祝いしているが、この日は逆の立場。試合後はロッカールームで星川監督が用意したケーキをほおばり「ハッピーバースデー」の歌を歌ってもらった。主役はひたすら仲間に感謝した。

 祝砲をささげたい人がスタンドにもいた。神奈川県内の実家から父・守弘さんと母・千奈美さんが駆けつけた。関東での試合は5月29日のAS狭山戦以来とあって「9番」のユニホームを着込んで愛娘に声援を送っていた。W杯、五輪最終予選での活躍で女子サッカーのアイドル的存在になったが、両親への感謝は忘れない。恩返しのため、生でゴールシーンを見せてあげたかった。

 開幕前に公言した得点王という目標にも近づいた。通算8得点としチームメートの大野とともに得点ランクトップに並んだ。「まだまだ試合が残っているし、チームに強力なライバルがいるので」。威勢のいい言葉は控えたが、初のタイトルも現実味を帯びてきた。「25歳はいい意味で波乱の年だった。(26歳は)五輪があるし、25歳より、いい年になるようにしたい」。2ゴールは、26歳の川澄が紡いでいくストーリーの序章に過ぎない。

続きを表示

この記事のフォト

2011年9月24日のニュース