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森本 新天地ノバーラ移籍“バラ色”の予感!

[ 2011年9月20日 06:00 ]

即戦力として期待される森本

 海外サッカーの話題を紹介する「サッカー大陸」が「蹴球大陸」にリニューアルして再開。今季から外国人選手だけでなく、海外でプレーする男女の日本人選手も取り上げていく。その第1回は、17日のカリアリ戦で移籍後初ゴールを決めたノバーラのFW森本貴幸(23)にスポットを当てる。昨季まで5シーズン所属したカターニアからセリエAに昇格したばかりのクラブへの移籍にはどんな意味があるのか。関係者の証言で解き明かす。

 新天地で好発進した森本。11日のキエーボ戦でアシスト、続く17日のカリアリ戦で初得点を挙げた。その活躍を複雑な思いで見ているのはカターニアの番記者たちだ。

 ラ・シチリア紙フィノッキアーロ記者「森本は歴代のカターニアの選手で最もカメラに追い回された。でも本人は気さくで素直。2年前ある試合で零敗した後、森本が“僕が決めていれば負けなかった”と責任をかぶったことがある。それ以来彼を叩くのはやめたよ。移籍はやはり残念だね」

 06年東京Vからカターニアに移籍した森本は最初、下部組織で育った。準生え抜きだ。だから地元出身選手と同じように愛された。08~09年に7得点するなど成長を続けた。だが、10年に状況は一変。アルゼンチン人FWマキシ・ロペスに定位置を奪われ、昨季は出場12試合と09~10年の27試合から激減。苦しむ様子を元同僚は証言する。

 カターニアMFシャッカ「タカ(森本)はやる気を失っていたし、のけ者にされたと思っていた。彼の力を信じてチャンスを与えてくれたノバーラでは絶対活躍するよ。凄い選手だからね」

 出番を与えられない状況は森本に強いストレスとなった。それが移籍の理由だがノバーラ行きはかけでもある。56季ぶりにセリエAに昇格したノバーラでは初のEU外国籍選手。準生え抜きから助っ人に立場は180度変わる。

 ノバーラ・ペデルツォーリ強化部長「今季の最も重要な投資は森本の獲得だ。昨季は出場機会に恵まれず伸び悩んだが、若い選手にはよくあること。伸びしろにも期待して彼を獲ったんだ」

 期待はカターニア以上だ。主力として活躍しカターニア時代を上回る成績を残して初めて応えることができる。むろんメディアの目もシビアだ。

 ラ・スタンパ紙のアンビエル記者「ノバーラは(EU外の)外国人を獲ったことがないし、日本で騒がれている選手だから、どれくらいやれるか関心は高い。カターニアでは能力が発揮されたとは言い難い。彼に今季のサプライズになってほしい」

 カリアリ戦翌日付のガゼッタ・デロ・スポルト紙は「ジェダと森本の連係は欠陥が多い」と連係不足を指摘した。助っ人だからこその評価だ。今季の森本には点を取ることと同時にチームを勝たせることが必要。大きな責任を負うことになる。

 ▼ノバーラ・テッセル監督 森本には今季多くのチャンスがあるだろう。

 ▼ニュースサイト・フォルツァノバーラファランナ記者 森本はスピードがあるし、選手として大好きだね。感じがいいし、人間性も面白い。

 ▼トリブーナ・ノバレーゼ紙・ナバッツァ記者 若いけれども既にセリエA通算15得点の実績を挙げた選手だから期待は大きい。獲得にはファンからも大きな反響があったよ。

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2011年9月20日のニュース