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“消化試合”関係なし 大野 中国戦先発志願「吹っ切れたい」

[ 2011年9月10日 06:00 ]

宿舎から出てきた(左から)宮間、大野、沢らなでしこイレブン

 ロンドン五輪出場を決めたなでしこジャパンは9日、中国・済南の済南五輪スポーツセンターで控え組中心の練習を行った。

 11日の中国戦は消化試合となったため、佐々木則夫監督(53)は控え選手の起用を明言しているが、MF大野忍(27)ら主力選手の一部が中国戦の出場を志願。今予選では苦戦が続いただけに、本来のパスサッカーで快勝して最終戦を締めくくる。

 ロンドンへの切符を手にしても、モヤモヤは晴れなかった。W杯女王の華麗なサッカーが影を潜め、フラストレーションがたまった大野の口から飛び出したのは、意外な先発志願だった。

 「中国戦?出たいですよ。何か吹っ切れたい。納得したサッカーをしているのかって、あや(宮間)と話しているんだけど、“う~ん”という感じです。中国戦でみんなで納得したサッカーをして、(試合に)出て、納得して(今予選を)終わりたいですね」

 消化試合となった中国戦に関して、佐々木監督は「セカンドチームが前向きにやってくれている。しっかりやってほしい」と控え選手の大量起用を明言していた。特に「両サイドバックと右サイドは疲労がある」として大野らはベンチスタートとなることが濃厚となっていた。

 だが、これまでの4試合全てに先発フル出場している左サイドバックの鮫島も「休みたい?いえ、そんなこと全然思っていないです」と全5試合での先発を志願。まだ、W杯女王のパスサッカーを見せられていないことから、主力選手の中には最後の試合で本領を発揮したいという思いが強い。

 来年のロンドン五輪では欧米の大型チームと対戦する可能性が高い。勝ち抜くためにはなでしこのパスサッカーをさらに成熟させる必要がある。消化試合とはいえ、中国戦は年内最後の国際Aマッチとなることが確実なだけに、貴重な強化の場となる。「大事なのは中国戦。女子サッカーを見る人が増えて、厳しい目もある。出場権を獲っても、試合内容もしっかりやらないと」と宮間。内容も伴った快勝で今予選を締めくくることが、ロンドンへの第一歩となる。

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2011年9月10日のニュース