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ザック監督ズバリ!「一粒、一粒は海になる」

[ 2011年9月3日 06:00 ]

<日本・北朝鮮>後半ロスタイム、吉田の決勝ゴールに大喜びのザッケローニ監督(中央)

W杯アジア3次予選グループC 日本1-0北朝鮮

(9月2日 埼玉)
 試合終了のホイッスルが鳴ると、ザッケローニ監督は何度も両手を叩き、ガッツポーズで雄叫びを上げた。苦しみ抜いた末に後半ロスタイム弾で白星発進。ACミランでセリエA優勝を飾った経験を持つ名将も、W杯予選は未知の世界。それだけに「苦しんだだけに大きな勝利だ」と声をからしながら、ホッとした表情をのぞかせた。

 試合後の公式会見では開口一番、母国イタリアの格言を口にした。「一粒、一粒は海になる」。小さい積み重ねこそが大きな結果につながるという意味だが、指揮官は「この場合、一粒は勝ち点1」とした。つまり、得点を奪えない展開にも失点を許さず勝ち点1をしっかり確保しようとした結果が最終的に勝ち点3につながったのだということを強調した。

 苦しい展開だった。北朝鮮は開始から自陣に引いて全体をコンパクトに保ち中盤で激しいプレスを敢行した。それでも百戦錬磨の指揮官に焦りはなかった。「相手の激しいプレスが90分間続くはずはなかった」。相手の運動量が落ちた始めた後半途中から清武、さらに1メートル94の長身FWハーフナーを投入。結果的にこの采配が功を奏した。「李と違うタイプのハーフナーを入れ、相手の精神面に影響したと思う」と納得の表情を浮かべた。

 次戦は中3日で臨むアウェー・ウズベキスタン戦。W杯予選では今後も対戦相手が引いて速攻を仕掛ける展開が予想される中、指揮官は「われわれはアジアチャンピオン。だからどこも打倒日本でベストゲームをやってくるのは想定内」とし「でも、そういった役を演じるのは、私は大好きだ」と不敵に笑った。これで就任から12戦無敗。冷や冷やの展開ながら、ザックジャパンがまずはブラジルに向け好発進した。

 ▼日本サッカー協会・小倉純二会長 (厳しい試合展開に)W杯予選の雰囲気になって来ましたね。北朝鮮のGKのファインプレーは凄かったし、親善試合ではなく真剣勝負ならでは。W杯に行くのはあらためて大変だなと。この1勝は大きいですね。

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2011年9月3日のニュース