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宮間さすが!頼りの主力が勝利の“起点”に

[ 2011年9月2日 06:00 ]

<日本・タイ>後半、シュートを放つ宮間

ロンドン五輪アジア最終予選 日本3―0タイ

(9月1日 中国・済南)
 頼りになるのはやはり主力組だった。前半の悪い流れを断ち切るために真っ先に投入されたMF宮間が攻撃の起点となりチームを勝利に導いた。

 序盤から守備を固める相手を攻めあぐんだ。11日間で5試合という過密日程を見据えて中盤の主力4人を温存したが、前半まさかの0―0。佐々木監督には「(宮間は)使いたくなかった」との思いがあったが、たまらずW杯で活躍した主力組をピッチに送り込んだ。

 宮間が入った後半は流れが一変した。「準備はしていた。タイミング良くボールを入れることを意識した」。後半10分、左足でゴール前に絶妙のクロス。FW永里優が相手GKと交錯してゴールとはならなかったが、30分にはCKでMF田中のゴールをアシスト。指揮官も「リズムが良くなった」と手放しで称えた。

 宮間の武器は視野の広さ。それはピッチ上だけの話ではない。「周囲をよく見渡すことができる。感心させられることが多かった」と話すのは、04年から約6年間、岡山県体育協会の職員だった宮間と仕事をした美作市教育委員会スポーツ振興課の田中靖郎係長(42)。05年の国体ラグビーの閉会式。プラカードを持って歩いていた女子高校生が熱中症で倒れた。すると、別の仕事をしていた宮間はすぐさま異変に気づいてグラウンドに飛び出し、誰に指示されるでもなくプラカード嬢の代役を務めた。「かゆいところに手が届く部分は、きょうのプレーにも通じる」(田中係長)。持ち味のとっさの対応力を大一番で発揮した。

 想定外の途中出場で代表通算100試合目の節目を迎えたが、宮間は「通過点。特別な思いはない」と表情を変えることはなかった。結果だけ見れば快勝発進。だが、ターンオーバー制が不発に終わるなど課題も出た。「大差で勝つのが当たり前だとは思ってなかった。次からは相手のレベルも違う」。頼れる背番号8の視線は韓国戦(3日)に向けられている。

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2011年9月2日のニュース