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沢初戦温存 なでしこ五輪へターンオーバー導入

[ 2011年8月28日 06:00 ]

快晴の空の下、汗を流すなでしこイレブンの前にトンボが

なでしこ合宿最終日

(8月27日 岡山・美作市)
 ロンドン五輪アジア最終予選(9月1日開幕、中国・済南)を控えるなでしこジャパンは27日、岡山県美作市での合宿を打ち上げた。佐々木則夫監督(53)は、9月1日の同予選初戦タイ戦で主力を温存する方針を固めた。この日の紅白戦では主力組と控え組を入れ替えながら、タイ戦を想定したメンバーをテストした。なでしこジャパンは28日に決戦の地・中国に入る。
【ロンドン五輪アジア予選 メンバー】

 ついに最終予選の青写真が固まった。「中国に渡るにあたって、僕の頭の中ではメドがついた。期待してもらっていい」。佐々木監督は満足げな表情でこう言い切った。

 「タイ戦はW杯を戦ったメンバーとは違うメンバーで行くぞ」。練習前のミーティングで指揮官が自らの考えを選手に伝えた。30分ハーフの紅白戦。前半は、タイ戦出場停止の岩清水と矢野を入れ替えたDFのレギュラー4人と、沢や宮間を含む中盤の主力4人が別々のチームに分かれた。

 DFが主力組のチームはボランチに宇津木と田中を配置し、FWは川澄と安藤という顔ぶれ。15分には相手のFW永里優をあえて外して11―10の数的優位をつくりだし、ボールキープ率を高めた状況でゲームを進めた。格下のタイを想定したもので、川澄は「初戦のスタメンを頭に入れながらやっていたと思う」。佐々木監督も「ターンオーバーを考えた。田中は阪口に似ていて、宇津木はいい左がある。手応えを感じた」とほおを緩めた。

 最終予選は11日間で5試合をこなす消耗戦。3試合目(9月5日)はオーストラリア、4試合目(同8日)は北朝鮮と対戦。さらに、完全アウェーが予想される中国とは最終戦で相まみえるとあって、宮間も「中国と戦うときは声も聞こえないほどの観衆になる」と警戒感を示している。

 タイトな日程を考えると、余力を残しながら戦いを進めるのが理想。タイ戦は沢と阪口のダブルボランチの起用を見送る可能性が大。主力温存にはリスクもあるが、沢は「20人全員が誰が出てもいいように準備していきたい。W杯に出てる人と出てない人に差はある。自信を持てるようにやりたい」と力を込めた。

 「最善を尽くしたと言える合宿でよかった。必ずやロンドンの切符をつかんで帰ってきたい」と佐々木監督。運命の初戦まであと4日。世界女王の臨戦態勢は整った。

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