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GKもこなす“守備の鬼”阪口夢穂 男子を上回る強じんな太腿

[ 2011年8月28日 07:20 ]

守備でチームを支える阪口

 沢とともに不動のボランチとして、守備で献身的になでしこジャパンを支えているMF阪口夢穂(23)だが、米WリーグFCインディアナから10年に新潟に移籍してきた当初は「守備が大嫌い」だった。所属する新潟の奥山達之監督にも「守備の面白さが分からない」と漏らしていた。攻撃的MFとしてゴールを狙い続けてきたからこその戸惑いでもあった。

 阪口が守備に目覚めるに至った背景には、肉体の進化がある。FCインディアナに所属していた09年に左膝前十字じん帯を断裂し、完治しないまま新潟に移籍。新潟ではリハビリの一環として大腿四頭筋(大腿前部の筋肉)を鍛えるトレーニングを半年以上にわたって行った。ケガが完治した後も本来は筋トレは好きではなかったが、今年5月のなでしこジャパンの米国遠征で「米国人はデカいし体幹が強い」と痛感。積極的に筋トレに取り組むようになった。

 今では大腿四頭筋の筋力をバイオデックス(多用途筋機能評価運動装置)で測定すると男子のサッカー選手は平均で300~350ニュートンメートル/キロ程度だが、阪口はそれを上回る数値を出している。強じんな太腿を武器に守備では1対1で簡単に負けなくなった。新潟で相手を追い込む守備の練習を課せられた効果も相まって、守備への自信が深まり、最近では「守備の楽しさが分かってきた」と話すまでになった。

 ロンドン五輪アジア最終予選に向け「これで負けたら一気に叩かれるんやで」と気を引き締める。GKもこなせる“守備の鬼”が、中盤の底からチームを支える。

 ◆阪口 夢穂(さかぐち・みずほ)1987年(昭62)10月15日、大阪府堺市出身の23歳。7歳から下野池JSCでサッカーを始めFC高槻から06年TASAKIに入団。06年に代表初選出され、08年北京五輪に出場。TASAKIの休部で09年から米WリーグのFCインディアナに移籍するが左膝前十字じん帯を断裂し帰国。10年から新潟に所属。なでしこリーグでは今季3得点をマーク。1メートル65、58キロ。血液型O。利き足は右。

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2011年8月28日のニュース