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丸山から川澄弾!!五輪もなでしこ“キュートップ”だ

[ 2011年8月20日 06:00 ]

<なでしこジャパン・なでしこリーグ選抜>試合後、笑顔を見せながら肩を組んで引き揚げる丸山(左)と川澄

慈善試合 なでしこジャパン3―2なでしこリーグ選抜

(8月19日 国立)
 “キュートップ”が光り輝いた。なでしこジャパンは19日、優勝した7月の女子W杯ドイツ大会後初めての試合となる東日本大震災復興支援チャリティーマッチに臨み、なでしこリーグ選抜に3―2で勝利を収めた。海外組不在の中、1―0の前半18分にFW丸山桂里奈(28=千葉)の突破からFW川澄奈穂美(25=INAC)がゴールを決めるなど、“美女2トップ”が2万2049人の大観衆を魅了。9月1日からのロンドン五輪アジア最終予選(中国・済南)へ弾みをつけた。

 清く、正しく、美しく。そして、やっぱり強かった。“準なでしこジャパン”ともいえるなでしこリーグ選抜の精鋭たちを相手に、強くて美しいなでしこたちが2万2049人の大観衆を集めた聖地・国立で躍動した。団体では初受賞となる国民栄誉賞授与式から一夜明け、海外組不在の一戦で開始からチームを引っ張ったのは、初コンビとなる丸山、川澄の“美女2トップ”だった。

 1点をリードして迎えた前半18分だ。右サイドでボールをキープした丸山が、相手選手3人に囲まれながら得意のドリブルでゴール前に仕掛けた。そのままシュートにいく手もあったが、「自分じゃ無理かな」と一瞬の迷いの後、視界に入った川澄にラストパス。「丸山選手がいいパスをくれたので、点を取ることができました」。川澄がダイレクトで右足で合わせ、2点を挙げたW杯準決勝スウェーデン戦以来となるゴールを決めた。

 被災地の人々に勝利を届けたい。その思いの一方で、激しいポジション争いに勝ちたいという強い気持ちを持って試合に臨んでいた。W杯では丸山が準々決勝ドイツ戦で挙げた1得点で、川澄がスウェーデン戦の2得点。2人の活躍なしに世界女王はなかったが、主に安藤梢(デュイスブルク)、永里優季(ポツダム)の“ドイツコンビ”が先発することが多かった。それだけに「ゴールを決めたいんで頑張ります!」(丸山)「予選前にゴールを決めて感覚を取り戻したい」(川澄)と前日から静かな闘志を燃やしていた。9月1日から始まるロンドン五輪アジア最終予選は11日間で5試合を戦う超過密日程。チーム全体の底上げという意味でも、2人が結果を出したことは大きかった。

 だが、常に高みを目指すなでしこたちは反省も忘れない。前半で交代した丸山は佐々木監督に「前半の前半は良かったけど、後半は動けてないからダメだよ」と“ダメ出し”されたそうで「ごもっともだなと思った。よく見てるな、と。あ~!アピール失敗!」と苦笑い。後半から右MFに回った川澄も「リズムが悪くて最後のところで引っかかることが多かった。間延びする時間帯もあった」と課題を挙げた。

 22日から始まる岡山県美作市での直前合宿では安藤と永里優も加わる。ポジション争いは再び激化するが、ひるんでいる時間はない。3大会連続の五輪切符獲得、そして五輪本番での金メダルへ。世界女王たちの新たな戦いが始まる。

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