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もっともふさわしい舞台 10日韓国戦 松田さん「追悼試合」に

[ 2011年8月5日 06:45 ]

日本代表メンバーを発表するザッケローニ監督

 天国のマツさんに白星を――。日本サッカー協会は4日、キリンチャレンジ杯韓国戦(10日、札幌ドーム)に臨む日本代表23選手を発表した。発表直前に元日本代表DF松田直樹さんの訃報が届き、アルベルト・ザッケローニ監督(58)や日本協会幹部からは悲しみの声が相次いだ。

【メンバー 日程&結果】

 W杯アジア3次予選前最後の強化試合は喪章着用や黙とう実施が予定され、松田さんの「追悼試合」となる方向だ。

 あまりに突然の訃報から、54分後のことだった。午後2時、韓国戦のメンバー発表は始まった。本来、晴れやかなはずのJFAハウス内の会見場は悲しみに沈んでいた。「昨年、J1での活躍ぶりを見て素晴らしい選手であることは分かっていた。ご冥福を祈る」とザッケローニ監督。日本サッカー界に残した松田さんの功績の大きさを理解している指揮官はそう言って哀悼の意を示した。

 10日の韓国戦は松田さんの「追悼試合」となる。国際Aマッチに通算40試合出場し、一時代を築いた日本を代表するDF。闘志を前面に出し、攻守にスケールの大きなプレーぶりはファンの脳裏に焼き付いている。日本協会ではその偉大さを称える方針。関係者によれば試合前に黙とうをささげ、喪章を着用するなど松田さんを悼むセレモニー実施も検討に入った。

 思えば、韓国戦ほど追悼試合にふさわしい舞台はない。両国が最もライバル意識を燃やす宿命の対決には、松田さんも00年4月と12月の2試合に出場したが、戦績は1分け1敗。「誰よりも負けず嫌い」と言われた男が、一度も勝利することなく旅立ってしまった。今回、選出された23選手はほとんどが松田さんと対戦経験を持ち、遺志を受け継ぐにふさわしい面々がそろった。悲しみは胸にしまい、天国に勝利を届ける。

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2011年8月5日のニュース