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横浜5年ぶり首位!悲しみの木村監督「勝ちたかった」

[ 2011年7月18日 06:00 ]

<大宮・横浜>前半37分、右CKで先制点をアシストした中村(左)

J1第5節第2日 横浜1―1大宮

(7月17日 NACK)
 恩師にささげる首位だ。横浜が5年ぶりに首位に立った。17日にアウェーで大宮と対戦。試合前に95~97年にGMを務めた森孝慈氏の訃報が届いたが、前半37分、現チームで唯一森氏を知るMF中村俊輔(33)が右CKから先制点を演出。後半29分に失点し引き分けたものの、森氏が率いた日本代表でエースだった木村和司監督(52)がチームを06年3月24日以来となる首位に導いた。
【試合結果 順位表】

 追悼アシストだった。0―0の前半37分、中村が右CKで左足を強振。FW小野の先制弾を引き出した。試合前に木村監督から森氏の急死を知らされた。中村が97年に横浜入りした当時のGMで、桐光学園で契約書にサインした時にも同席していた。その際に両親と森氏と校長室で撮った思い出の写真は「今でも実家のテレビの上に飾られている」という。中村にとっては恩師に贈る1点となった。

 木村監督にとっても森氏は特別な人だ。「もっとも影響を受けた監督の一人」。同じ広島県出身で、森氏が日本代表監督時代に木村監督は司令塔として君臨。ともに日本をW杯の一歩手前まで導いた。W杯メキシコ大会最終予選のホーム韓国戦で決めた27メートルの直接FK弾は伝説となった。

 悲願のW杯初出場を逃し、既にプロ化していた韓国との差を痛感。森氏の後押しもあり、86年に国産プロ1号となった木村監督は「あの韓国戦は一つのターニングポイントになっている」と振り返る。森氏は今季も何度か横浜の試合を観戦していた。「一緒に飲んだりした。そういうことができる人だった。優勝するところを見せたかった。それが悔しい」

 後半29分に失点を喫し、過去1度も勝っていないNACK5スタジアムでまたも勝てず連勝も5でストップ。木村監督は「きょうはいろんな意味で勝ちたかった」と悔しがった。それでも暫定ながら06年3月24日以来1941日ぶりに首位に立った。中村は「(首位は)みんな気にしていない。きょうのような出来だと優勝はできない。首位をキープするためにもっと精度と質を高めないと」と課題を口にしたが、7年ぶりのタイトル奪取へ、指揮官とエースはまず首位奪取を森氏にささげた。

 ≪開幕直後を除けば7年ぶり≫横浜は引き分けたために首位の柏に勝ち点で並び、得失点差で暫定ながら首位に立った(消化試合が2試合少ない3位のG大阪が連勝すると勝ち点で抜かれる)。横浜の首位は06年第4節以来。開幕直後を除くと、優勝した04年第1ステージ最終節以来、7年ぶりの首位だ。

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2011年7月18日のニュース