狙え得点女王！沢、エース弾でなでしこを決勝に導く

スウェーデン戦を控え、練習で笑顔を見せる沢（中央）

女子Ｗ杯準決勝

（7月13日 フランクフルト）
　エース弾でなでしこジャパンを初の決勝に導く。Ｗ杯で初のベスト４進出を果たした日本は１３日（日本時間１４日午前３時４５分）の準決勝でスウェーデンと対戦する。五輪を含めて初のファイナル進出を懸けた大一番で、やはり頼れるのは主将のＭＦ沢穂希（３２）。今大会３得点で現在得点ランキング２位につけており、“北欧の巨人”を倒すゴールを決めて、優勝と得点王に王手をかける。

　なでしこジャパンが新たな歴史を刻む時が来た。女王ドイツの３連覇を阻んだ９日の準決勝から移動日を挟んだ１１日、準決勝の舞台フランクフルトで約１時間半練習を行った。

　フィールドプレーヤー最年長のＭＦ沢は「（移動した）きのうよりきょうの方がしんどい。体も心もリフレッシュしないと。しっかりケアして臨みたい」と１２０分の激闘による疲労に言及しながらも、その目には気力がみなぎっていた。

　日本がＷ杯でスウェーデンと対戦するのは、世界選手権時代の９５年スウェーデン大会以来。当時１６歳の沢が世界デビューを飾った大会だった。１次リーグで対戦したスウェーデンには０―２で完敗。沢自身もＧＫリンダールと激突して負傷するなど、ほろ苦い思い出となっている。決勝進出を懸けた一戦は、１６年前の雪辱の舞台となる。

　今大会３得点は得点ランク２位。４得点で同１位のマルタ（ブラジル）は準々決勝で敗退しており、３得点で並ぶスウェーデンのＭＦダールクビストを抑えて自らゴールを決めれば、初の決勝進出とともに得点王も見えてくる。

　代表通算７８得点は釜本邦茂氏（６７）の７５得点を抜いて男女を通じて歴代最多得点記録を塗り替えた。６８年メキシコ五輪で７得点を挙げて得点王となった釜本氏は「得点に絡むのは少ないだろうが、決定的チャンスをどうものにするか。ドイツ戦のような試合をやればいいと思う」と沢の得点王に期待をかけた。

　ドイツ戦後に「日本のサッカーの歴史に残る１試合だった。これに満足することなく頂点を目指したい」と世界一への決意を新たにした沢。現メンバーで唯一１６年前を知る主将が、因縁の相手に雪辱を果たし優勝と得点王に向かって突き進む。