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大黒柱がMVP!沢「満足することなく頂点を」

[ 2011年7月11日 06:00 ]

<日本・ドイツ>延長後半、決勝ゴールを決めた丸山(右端)と抱き合って喜ぶ、アシストした沢(右から2人目)ら日本イレブン

女子W杯準々決勝 日本1―0ドイツ

(7月9日)
 完全アウェーの圧倒的に不利な戦いの中で、なでしこジャパンを最後までけん引したのが大黒柱のMF沢だった。32歳のチーム最年長が120分間を走り抜いて攻守に奮闘し、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた。

 何度もはね返されてきた宿敵を撃破し「信じられないですね。みんなが最後の笛が鳴るまで走り続けて、みんなで点を取って、みんなで守った120分でした」とチーム一丸での勝利を強調。「久しぶり」といううれし涙で頬を光らせた。

 ドイツを応援する大観衆を沈黙させた。キラーパスで丸山の決勝点をアシスト。「裏のスペースが空いていて丸山がいい動きをした」と千載一遇のチャンスを見逃さず、FW岩渕からのボールを右足ダイレクトで「なんとかお願い、という気持ちを込めて蹴った」。その熱い思いと正確なキックが丸山の決勝ゴールにつながった。

 ドイツにもケガにも負けなかった。延長前半1分に相手選手のスパイクが下腹部に入り、もん絶してピッチに倒れたが、治療を受けて3分後に復帰。守備では体格に勝るドイツのロングボール中心の攻撃を、最終ラインの前で体を張ってはね返すなど、負傷の影響を全く表に出さなかった。

 強靱(きょうじん)さと無尽蔵のスタミナを併せ持つ肉体は、徹底した自己管理のたまもの。シーズン中はお酒を飲まないのはもちろん、食事は基本的にすべて自炊。1キロカロリー単位で摂取カロリーを細かく計算して調理。ピッチ内外での日々の積み重ねが、15歳にデビューしてから18年にも及ぶ代表キャリアにつながっている。

 サッカー人生の集大成として臨んだW杯で初の4強入り。あと1つ勝てば、なでしこ最高順位である北京五輪のベスト4を超える。「日本サッカーの歴史に残る1試合だった。これに満足することなく頂点を目指したい」。国際Aマッチ78得点。釜本氏の75得点を抜いて、男女を通じて日本代表歴代最多得点記録を塗り替えた主将は、世界の頂点を目指して走り続ける。

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2011年7月11日のニュース