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なでしこ パワーに屈した…準々決勝は地元ドイツ

[ 2011年7月7日 06:00 ]

<日本・イングランド>後半、相手ゴール前に沢(左)と丸山(右)が飛び込んだがゴールは奪えず

女子W杯1次リーグB組 日本0―2イングランド

(7月5日 アウクスブルク)
 なでしこジャパンがパワーに屈した。2連勝で1次リーグ突破を決めていた日本は5日、イングランドに0―2で完敗。体力に勝る相手に持ち前のパスサッカーが封じられた。勝ち点を7に伸ばしたイングランドに逆転されて同6でB組2位に転落し、9日(日本時間10日午前3時45分開始)の準々決勝でA組1位の地元ドイツと対戦することが決まった。

 最後までイングランドの高い壁を破れなかった。後半21分に0―2とされ岩渕と川澄を投入して反撃を試みたが、決定的チャンスはゼロ。ペナルティーエリアまでボールを運ぶことはできたが、終盤の15分間で放った7本のシュートのうち4本は枠外、3本はブロックされて、1本も枠内に飛ばなかった。

 「負けてしまって残念。スピードやキックの距離がこれまでの相手と違って、てこずった」とDF熊谷が悔しがったように、身体能力に勝る相手に“力負け”した。その象徴が失点シーン。前半の先制点は相手最終ラインからのロングボールをペナルティーエリア外からE・ホワイトにループ弾で決められた。男子顔負けのパワープレーに対応できず、後半はヤンキーにスピードで守備陣の裏を突かれて失点。佐々木監督は「スピードに乗った相手に蹴散らされるのは力のなさ」と厳しい表情を見せた。

 一方、攻撃でも日本の生命線であるパスワークが影を潜めた。「相手の(寄せの)スピードが今までと違って、パスと、自分で仕掛ける判断を誤るシーンが多かった」と宮間。5月の遠征で米国に2連敗を喫した後、組織力でパワーサッカーに対抗しようと準備を進めてきたが、攻守にあらためて課題が浮き彫りになった。

 準々決勝の相手は3連覇を狙う地元ドイツに決まった。過去の国際Aマッチでは1分け6敗と未勝利。指揮官は「メダル獲得の望みが絶たれたわけではない。持てる力は出し、いいステップにできた」と懸命に前を向いたが、屈強な相手から“金星”を挙げる秘策はあるのか。W杯で過去に勝ったことがない欧州の壁を崩せるのか。なでしこの底力が問われることになる。

 ▼MF沢 前半から(攻守の)切り替えが遅くて相手のペースになってしまった。引かれてブロックを形成されてスペースがなかった。できれば1位で通過したかった。

 ▼FW安藤 疲労もあったのか、チーム全体的にプレーのスピードが遅かった。イングランドがフィジカルを生かしたサッカーをしてくるのは分かっていたが、簡単にやられ過ぎた。

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2011年7月7日のニュース