海外でレベルアップを…福島から米国へ“なでしこ審判”の挑戦

[ 2011年7月2日 08:00 ]

米国のフロリダに拠点を移して審判活動を行うことになった佐藤さん

 国際サッカー連盟(FIFA)の女子国際主審の佐藤奈美さん(32)が、米国のフロリダに拠点を移して審判活動を行うことが分かった。昨年の女子最優秀審判に選ばれるなど、女子審判員をけん引する佐藤さんの米国での活躍が期待される。

 佐藤さんは日本に4人しかいない女子国際審判の1人だ。米国での活動は1年前から持ち上がっていた。

 「夫の米国転勤の話が1年前からあり、もし向こうでできるならと思っていました」

 日本協会などの協力で、6月初旬に米国での活動が許可された。しかし、渡米後の予定は未定で、セミナー受講、フィットネステストなどを受けてから審判として正式に要請されることになる。「テストの結果次第で、どのカテゴリーを任されるか分からないです。でも米国のレベルは高いですね」と佐藤さん。女子の世界ランキングは日本4位に対して米国は1位。これまで、米国チームの試合で審判を務めたことはないが「強くて速い。タフな印象があります」と言う。

 日本でも、なでしこリーグをはじめ、福島県高体の男子準決勝などを担当。時間があれば小学生サッカーの地区予選でも笛を吹く。「どのカテゴリーも関係ない。少しでもいい審判がしたい」と貪欲だ。

 宮城県東松島市出身。震災で家族は無事だったが、実家が津波で流され、親戚を失った。「こんな時期に渡米すべきか悩みました。でも、ここまで育ててくださった方に恩返しできるよう頑張りたい」と話す。

 夢はJリーグの審判を務めること。佐藤さんは女子1級審判でもあるが、Jリーグは1級審判でなければできない。この4月に受験のチャンスがあったが震災の影響が大きく、見送った。

 これまで居住していたのは、福島第1原発から20キロ圏内の福島県楢葉町。「今も楢葉町が大好きです。絶対、福島に帰ってきて審判がしたい。それまで厳しい所で挑戦してきます」。日本の“なでしこ審判員”は異国での奮闘を誓った。

 ◆佐藤 奈美(さとう・なみ)1978年(昭53)11月6日、宮城県東松島市生まれの32歳。石巻女商高からサッカーを始める。当初はスポーツトレーナーを目指し専門学校へ。海外研修でルーマニアの女子審判に憧れ審判員を目指す。趣味は旅行。家族は夫。1メートル53、43キロ。血液型B。

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