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気持ち届いたロスタイム弾!仙台不敗「11」新記録

[ 2011年6月19日 06:00 ]

<新潟・仙台>後半終了間際、同点ゴールを決めた仙台・菅井(中央下)は、倒れこみながらチームメートと喜び合う

J1第16節 仙台1―1新潟

(6月18日 東北電ス)
 仙台が劇的ドローで“不敗神話”を守った。敵地で新潟に先制点を許したが、後半ロスタイムにDF菅井直樹(26)の2戦連続ゴールで追いついて1―1で引き分け、2位をキープした。開幕からの不敗記録を11試合に伸ばし、歴代3位に浮上。1シーズン制では10年清水の10試合を抜いて新記録となった。
【試合結果 順位表】

 仙台イレブンの執念が、最後の最後に劇弾を呼んだ。5分と表示されたロスタイムの5分目に、値千金の同点ゴールを決めたのが右サイドバックの菅井。日本代表MF関口の右クロスをMF松下が頭で折り返したところに走り込み、頭でゴール右隅に押し込んだ。

 「入ってくれ、という気持ちだけだった。サポーターに負ける姿を見せたくなかった。(応援に)来てくれた人に少しでも勇気を与えられたかな」。2戦連続の今季4点目を決めると、敵地に駆けつけた約2000人のサポーターの前にダッシュし喜びを爆発させた。

 負けられない理由があった。この日は東日本大震災発生から100日目。地元仙台をはじめ被災地で追悼行事や慰霊祭が開かれていた。手倉森監督は試合前に節目の一戦であることを選手に伝えており、菅井は「供養する人たちのためにも負けたくなかった」とイレブンの気持ちを代弁した。

 負けない理由は選手の気力だけではない。オフの積極的な補強で選手層が格段にアップした。同点弾をアシストした松下はFC東京から加入。京都から移籍のFW柳沢は、前節のG大阪戦で決勝弾の起点となった。今季新加入の元韓国代表DFチョ・ビョングクが今季初めて欠場したが、昨季までレギュラーだったDF渡辺が今季初先発で穴を埋めた。手倉森監督は「いろんな選手にチャンスを与えながら、誰が出ても仙台のパフォーマンスを落とさないようにしていきたい」と手応えを口にした。

 直近の4引き分けは全て追いつかれたが、今回は追いついての価値ある勝ち点1。1シーズン制の開幕からの不敗記録を更新し、指揮官は「鮮やかな勝利での記録更新でないところが、仙台らしい」とうなずいた。諦めない姿勢で戦い続けることで、被災地に勇気を与える。

 ≪1シーズン制最長≫仙台が後半ロスタイムの同点弾で引き分けに持ち込み、シーズン開幕から11試合連続負けなし。1シーズン制となった05年からでは昨季清水の10試合連続を抜いて最長となった。J1最長は2シーズン制だった02年横浜、03年名古屋の13試合連続。

 ≪DFながらも驚異の決定率≫劇的同点弾はDF菅井。2試合連続4点目となるが、今季のゴール決定率は・308。ここまでの今季J1で決定率が3割以上(シュート10本以上)は菅井を含めて7人。最高の高原(清水=・385)ほか6人はFWで、DFは菅井だけだ。

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