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ザック“宝刀”不発…新布陣3―4―3苦難の船出

[ 2011年6月2日 06:00 ]

<日本・ペルー>前半、ベンチ前でふくれっ面でボールをさわるザッケローニ監督

キリン杯 日本0―0ペルー

(6月1日 東北電ス)
 日本代表は1日、ペルー代表と対戦し、0―0のドローに終わった。アルベルト・ザッケローニ監督(58)は、9月開幕のW杯ブラジル大会アジア予選をにらみ3―4―3の新システムを採用したが機能しなかった。日本代表は7日、日産スタジアムでチェコ代表と対戦する。
【試合結果】

 ついに抜いた“伝家の宝刀”は完成にはほど遠かった。ザッケローニ監督は前半3―4―3システムを国際試合で初テスト。新布陣は本来、攻撃的なシステムだが中盤の両サイドがDFラインに吸収されて5バックになる場面もありほとんど機能しなかった。

 「攻め込まれての5バックはしようがない。しかし相手が自陣、または中盤でボールをキープしたときに5バックになるのはダメだ」

 攻撃の組み立て方については「(ペルーは)MFが5人で中盤は密集していたが、その裏のサイドにはスペースがあった。なのに(日本は)その密集地帯の中盤でプレーしていた」と指摘。さらに「サイドのMFが裏に走り、相手のサイドバックに対しサイドのFWと一緒に数的優位をつくらないといけなかった。後半の方が明らかに良かった」と振り返った。

 ただ結果こそ出なかったものの「自分が欲した情報を得ることができた」と収穫も口にした。新システムについても「絶対的なシステムはない」と断言した上で、4―3―3で世界を席巻するバルセロナを引き合いに出し「彼らはシステムで勝っているのではない。システムを完璧に把握し、それを素早いプレーで体現しているからこそ強いんだ。日本もそうならないといけない」と欧州CL王者を目標に掲げた。

 そして「短時間で全てを機能させるのは難しい。良くなかったのは慣れの問題」と時間をかけて一つ一つ問題をクリアしていく考えを示した。

 「常に3バックでプレーする必要はない。でも、守備より攻撃を得意とするサイドアタッカーを多く生み出す日本は3バックに適した選手が多い」。カルチョの国で戦術を駆使して実績を残してきた指揮官は、新システムを完成させてチームをさらに成長させるつもりだ。

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2011年6月2日のニュース