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長友 移籍後初タイトル!イタリア杯決勝フル出場でV

[ 2011年5月31日 06:00 ]

<インテル・パレルモ>イタリア杯優勝カップを持つ長友佑都(篠田由美子通信員)

イタリア杯決勝 インテル・ミラノ3―1パレルモ

(5月29日 ローマ)
 インテル・ミラノの日本代表DF長友佑都(24)が移籍後初タイトルを獲得した。29日にローマで行われたイタリア杯決勝パレルモ戦に右サイドバックでフル出場。安定したプレーで3―1の勝利を引き寄せ、チームの2年連続7度目の優勝に貢献した。キリン杯(1日ペルー戦、7日チェコ戦)に向けて新潟で合宿中の日本代表に合流するため、31日に凱旋する。

 イタリア挑戦1年目を最高のフィナーレで飾った。1月末にチェゼーナからレンタル移籍して、5カ月目で勝ち取った初タイトル。長友が、エトオ、スナイダーら世界最高クラスの選手に囲まれながら笑顔で優勝カップを掲げた。「超気持ちいい。北島康介の気持ちが分かりました。インテルに入ってからタイトルを獲りたいと強く思っていた。カップはずっしりと重かった。最高です」。首から下げたメダルが誇らしげに輝いた。

 マイコンの出場停止を受け、本来の左ではなく右サイドバックでフル出場。前半39分にオーバーラップからクロスを上げれば、後半30分には鋭い読みでスルーパスをカットするなど攻守に安定感を見せた。右サイドは22日のカターニア戦でテストされ、今季2点目を挙げた位置。エトオの2得点などで常に先行する展開もあり「守備から入ることを心掛けた」と落ち着いていた。試合後に来季の目標を「世界一のサイドバックに近づくこと」と説明。インテル・ミラノ移籍前、マイコンを「目標」としていたが「今は自分の中ではライバル」と言い切った。

 激動の1年だった。10年W杯南アフリカ大会でエトオ(カメルーン)、エリア(オランダ)ら相手キーマンを封じて16強入りに貢献。世界舞台での活躍が評価され、昨年7月にチェゼーナに移籍した。同年9月11日のACミラン戦でブラジル代表FWアレシャンドレ・パトを抑えるなど評価を上げ、今年1月のアジア杯優勝が決定打となってインテル・ミラノ入りが実現。欧州CL8強、リーグ2位と優勝を逃した中、最後に頂点に立ち「チャレンジして失敗して壁を乗り越えるということの繰り返しだった。10年分ぐらいの経験をしたんではないかというぐらい濃すぎた。W杯がもう何年も前のように感じる」と振り返った。

 キリン杯に向けて新潟合宿中の日本代表に合流するため、31日に帰国する。「凄いメンバーと(強豪)クラブのプレッシャーの中でやってきて、どんな状況でも絶対にブレないというところを行動で示したい」とイタリアでの経験をザックジャパンにも還元する意向。1日のペルー戦については「もちろん準備はする。日本代表は僕の誇りだから」と中2日での強行出場も辞さない構えだ。日本に凱旋して、カルチョの国で認められた実力を披露する。

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