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前田2発 史上初3年連続得点王&代表定位置獲りだ!

[ 2011年5月22日 06:00 ]

<磐田・福岡>前田(右)は自らドリブルで持ち込み右足でこの日2点目

J1第12節 磐田4―1福岡

(5月21日 ヤマハ)
 得点王争いの本命が浮上した。磐田の日本代表FW前田遼一(29)が福岡戦で2得点1アシストをマークして4―1の大勝に貢献した。前半32分にヘディングで決めると、後半4分にはドリブル突破から右足で叩き込んで今季通算4得点でランク2位へ。史上初の3年連続得点王へ向けて本領を発揮し始めた。

 エースが技ありゴールでダメを押した。3―0の後半4分、DF藤田からのパスを受けて抜け出したFW前田はドリブルで突進。相手DFと1対1になると、右足インステップでDFもGKも触れない際どいコースへ蹴り込んだ。「コースは狙っていた。ボールの置き所が悪く、いいシュートではなかったが、うまく入ってくれた」。今季4点目でランク2位に浮上。2年連続でタイトルを手にした本命が得点王争いに参戦してきた。

 まさに「前田劇場」だ。前半5分、FW山崎の先制点をアシスト。同32分にはMF山本康のクロスを頭で合わせ、ファーサイドにぶち込んだ。「いいボールが来たので、枠に入れることを考えていた」。同20分には同じような形からシュートを外していたが“雪辱の一発”でチームを乗せた。

 期するものがあった。前節仙台戦翌日の15日に岩手県遠野市で行われた選手会主催の、被災地の子供たち対象のサッカー教室に講師として参加。その後、バスで津波被害の大きかった釜石市の沿岸部まで足を延ばし、惨状を目の当たりにした。「テレビなどの映像でしか見ていなかったが、実際に見て本当に大変だなと思いました。(被災地の)子供たちをプレーで元気づけたい」と話していた通り、有言実行の2発で、被災地へエールを送った。

 最高のアピールとなった。6月にキリン杯を戦う日本代表は27日に発表される。メンバー入りは確実視されているが、「まだ代表に定着したとは自分では思っていない」と危機感いっぱいに話す前田。この日代表スタッフは視察には訪れなかったが、ザッケローニ監督の信頼を勝ち取るためにも結果が必要ということは分かっている。前田は貪欲にゴールを狙い続ける。

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2011年5月22日のニュース