×

赤嶺、執念V弾!仙台“被災地に希望”の首位!

[ 2011年5月4日 06:00 ]

<仙台・福岡>後半33分、ゴールを決め角田(左から2人目)らと喜ぶ赤嶺(左端) 

J1第9節 仙台1-0福岡

(5月3日 ユアスタ)
 “被災地の希望の星”が首位に立った。仙台は3日、ホームで最下位の福岡と対戦。後半33分にFW赤嶺真吾(27)が今季初得点を決め、1―0で接戦を制した。リーグ再開後3連勝で、昨季の第2節以来の首位浮上。後半に退場者を出して1人少ない状態をチーム一丸で乗り切り、2戦連続完封勝ち。攻守がかみ合い快進撃が続いている。

 ヒーローは歓喜に沸く金色の応援席まで歩けなかった。試合後に左足首をアイシングしたFW赤嶺は、場内を1周したチームとは別に、1人ベンチ前に立ってサポーターの声援を浴びた。

 「痛かったけど、最後は気持ちだった」。ケガを抱えながら執念の決勝弾だった。チャンスをつくりながらも得点を奪えず、0―0で迎えた後半33分。左CKからDF鎌田の折り返しを、赤嶺が相手GKに競り勝って頭で押し込んだ。実は前半16分に競り合いで着地した際に左足首を負傷。得点シーンも痛みをこらえてジャンプしていた。会見場には松葉づえ姿で現れ「チームが一つになって最後まで戦った結果が勝利につながった」と自分のゴールよりチームの勝利を喜んだ。

 赤嶺が言うように、終盤のピンチを団結力で乗り切った。先制点から6分後の後半39分、DF朴柱成(パク・チュソン)がこの試合2枚目の警告を受けて退場。それでもFW関口が足をつりながら最後まで走りきったように、1人少ない苦境を残り10人でカバーして無失点で逃げ切った。スパイクに「一人じゃない 信じよう 希望の光を!」と東日本大震災の被災者に向けたメッセージを記している関口は「退場者をカバーできたのはチームが団結している証拠。被災地の皆さんにも見てもらいたい」。試合後、申し訳なさそうに出迎えた朴柱成を、他の選手が笑いながら肩を叩く姿に、震災を共に乗り越えたチームの強い絆が表れていた。

 震災後の3連勝でクラブ史上2度目の首位へ浮上。前節まで首位の柏を、同じ東北に本拠を置く山形が倒して“アシスト”してくれた。普段は激しいライバル関係にあるが、手倉森監督は「山形が東北のために勝ち点3を取ってくれた。きょう両チームが勝ったのは素晴らしいこと」と感謝した。被災地に希望を与える快進撃。「東北のために勝つことはもちろん、首位に居続けることが大事」。指揮官は復興の先頭に立つために勝ち続けることを宣言した。

 ≪3連勝は9年ぶり≫仙台が中断明けから3連勝で首位。首位は昨季開幕から2連勝で立って以来、J1では2度目。3連勝はJ1初昇格した02年に開幕から○○○□○の5連勝(□は延長勝ち)して以来、9年ぶりのことだ。

 ≪決勝弾は全てヘッド≫後半33分にFW赤嶺がヘッドで決勝弾。川崎F戦のDF鎌田、浦和戦のFW太田に次いで3連勝の決勝弾は全てヘッド。昨季はヘディング決勝弾は1点しかなかったが、今季3つの決勝弾全てで起点、アシストとなっているMF梁(リャン)勇(ヨン)基(ギ)の精度の高いキックが大きな武器になっている。

続きを表示

この記事のフォト

2011年5月4日のニュース