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長友「諦めない」“奇跡”へフル回転古巣討ち

[ 2011年5月2日 06:00 ]

<チェゼーナVSインテル・ミラノ>劇的な逆転勝利に(左から)ラノッキア、ルッシオと抱き合って喜ぶ長友

 インテル・ミラノの日本代表DF長友佑都(24)が古巣に成長した姿を見せつけた。30日に敵地で1月まで在籍したチェゼーナ戦に左サイドバックで先発。厳しいマークに苦しみながらも公式戦6試合連続フル出場を果たし、後半ロスタイムの劇的な逆転勝利(2―1)に貢献した。チームは2連勝で2位をキープし、首位ACミランの今節での優勝決定を阻止した。

 6連覇へ望みをつなぐ大逆転勝利だった。0―1と敵地で敗色濃厚の後半46分。途中出場したインテル・ミラノFWパッツィーニが右足で起死回生の同点弾を決めると、その4分後には頭で勝ち越しゴールを押し込んだ。豪雨の中、長友は公式戦6試合連続フル出場で奮闘した。残留争いする古巣には「つらい負け方だったと思う」と複雑な心境をのぞかせながらも「あのまま負けてたら最悪。きょうは勝ったことが全て」と宿敵ACミランの優勝決定を阻止して胸を張った。

 昨年夏から半年間プレーしたかつてのホーム。試合前は温かい、ピッチ上では厳しい“歓迎”を受けた。1月にインテル・ミラノに移籍してから初の“凱旋”。クラブからは貢献を称えるトロフィーが贈られ、サポーターから大きな拍手と“佑都コール”を浴びて「本当に心が温かくなりました」と感激した。

 しかし、試合が始まると元同僚から厳しいマークを受けて「僕のプレースタイルをみんなが知っているから、確実に1対1の場面をつくらせてくれなかった」と攻撃面は苦戦した。それでも堅実な守備でチームに貢献。前半2分、同9分に体を張ってクロスをブロックすると、1点を追う後半31分にはDFラインの裏に抜け出した相手FWヒメネスにスピードを生かして追いついてシュートを打たせず、追加点を阻止した。「(ディノ・)マヌッツィ・スタジアムで自分の成長した姿を見せることができたと思う」と満足感を示した。

 移籍した当初は途中出場が多かったが、「心の部分で壁を乗り越えた」と精神的にも成長して完全にビッグクラブでレギュラーに定着した。自身初のスクデット(セリエA優勝)獲得のためには残り3戦全勝が絶対条件。厳しい状況には違いないが、長友は「今日の勝利で希望はまだ残っている。僕らは最後の最後まで決して諦めはしない」と前を見据えた。

 ≪古巣会長も称賛≫チェゼーナのフィッカデンティ監督は試合後、「インテル戦は相手の左サイドを止めることが大切だった」と左サイドバックの長友を警戒していたことを明かした。また、カンペデッリ会長は「長友は非常によくやっている」とビッグクラブへ移籍した後の活躍を称賛した上で「(インテルの)モラッティ会長も彼のプレーに満足している」と明かした。

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2011年5月2日のニュース